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『ニューヨーク 親切なロシア料理店』 [上映中飲食禁止]

ガラガラの映画館で美しき天使に出逢う

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コロナ禍と勤務先の変更が重なり、昨春は健康診断が受けられず、秋に人間ドックを申し込んだのだが、申込過多により年越しになってしまった。ドック自体は3時間ほどだが、代休扱いにして、久しぶりに平日丸々休みにした。感染防止対策万全の東銀座の診療所で、流れ作業的に検査を受け、午後には解放された。2年前の腹囲より3センチほど膨張したのをコロナのせいと決めつけ、寿司ランチの後に、久しぶりに銀座をそぞろ歩き、人影まばらな映画館に入った。

ニューヨーク・マンハッタンにあるロシア料理店「ウィンター・パレス」は創業100年を超える老舗だが、今や古びて料理もひどく、かつての輝きをすっかり失っていた。経営再建のため雇われたマネージャーのマークは刑務所からの出所直後、常連客の看護師アリスは他人のためだけに生きる仕事一筋の変わり者で、店に集まるのは訳ありな人物ばかり。 ある日、夫から逃れてきたというクララが、二人の子供を連れて店に転がり込んでくる。(シネマトウデイより)

題名の印象から、最近流行りの「シェフの立身出世物語」と予想したが、完全に外れた。英語には疎い小生でもイメージできる、原題の『Kindness of Stranger』そのままの内容であった。邦題の付け方で、特にマイナー作品は集客が左右されるので、センスある意訳を望みたいところだ。

ニューヨークの老舗レストランを舞台に、心の葛藤を抱える人々の出会いから生まれる小さな幸せを描いた。夫のDVに耐えかねた女性が、二人の子供を抱えて、無一文でニューヨークに転がり込んでくる事態が現実離れしており、そんな素性の知らぬ母子をいきなりレストランに住まわすオーナーが心の病を抱えているという無理矢理な設定である。定職に就けずドロップアウトして行く青年と共に、都会の片隅で葛藤を抱え苦しむ人々を描こうとしているが、ドキュメンタリーほどのリアリテイには欠けている。
少々残念な構成の中、一人気を吐く女優の魅力が、作品の体を何とか支えている。(あくまでも個人的に[揺れるハート]

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アンドレア・ライズボロー

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『オブリビオン(2013)』でのトム様の偽恋人役で見覚えがあったのだが、この女優の七変化がなかなか凄い。黒毛、ブロンド、ショート、ロングと髪型と化粧によって個性が極端に変わる。

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小生は、今作に近いブロンド・セミショートの柔らかい雰囲気がお好みであ〜る[キスマーク]

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彼女が演じるアリスは、ERに勤める看護師だが、非番の日には、心の病の人々の赦しの会を主宰し、ホームレスへの炊出しも行うボランティア精神溢れる女性である。彼女のブロンドの髪をかき上げながらの立ち居振る舞いに、小生は一発KOされてしまった[パンチ]自分の時間の全てを他者への奉仕活動に費やすアリスの精神性や生い立ちには全く深掘りしないのが、この作品の軽薄さを一番物語っているが、この際、関係無しだ。この慈愛に満ちた美しき女神に巡り会えただけでも、小生にとっては収穫有りの鑑賞であった。

鑑賞後は、喫茶店でデザートタイム[ぴかぴか(新しい)]『銀座みゆき館 銀座5丁目店』
本店はみゆき通りにあるが、小生は此処が昔からお気に入りなのである。学生時代、東銀座駅近くの晴海通りの地下の「三原橋商店街」の一角に「銀座地球座・名画座」という映画館があった。その後、「銀座シネパトス」名を変え、2013年に閉館するまで国内外のマイナー映画を上映する、小生にとって穴場的存在だった。喫茶店は1999年頃から出店しており、映画館から地上に出ると目に前の此処で一服がてら立ち寄ることが多かった。今や、地下商店街自体が消滅し、歌舞伎座も改築され、当時のこの辺りの風景も様変わりだ。もう映画も観られない為、機会は大分減ったが、この喫茶店だけは、たまには顔を出したい。

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此処は何と言っても「モンブラン」
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和栗の風味とサクサクのメレンゲの相性が抜群
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絶品であるのは間違いないが、私にとっては
懐かしの甘〜い映画の味わいなのだ。


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JUNKO

目の毒です、おいしそう。
by JUNKO (2021-01-19 21:50) 

つむじかぜ

> JUNKO 様
申し訳ございません。
ドック帰りの不摂生なオヤジです^^;
by つむじかぜ (2021-01-22 23:18) 

Labyrinth

まだ子供の?「わたしを離さないで」の彼女はブロンドじゃなかったので、ザンネンですけれど…!? ( ´艸`)
今回のプラチナブロンドは凄~く良くお似合いでしたね♪
“一人気を吐く女優の魅力”  確かにこれに尽きますね…!w
by Labyrinth (2021-01-31 22:22) 

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