『AJICO』再始動! [偏愛カタルシス]
20年の沈黙を破ってAJICOが再始動した
「地平線Ma」(2021年)
AJICO・・・2000年代の国内最強と小生が惚れ込んだロック・バンドである
UA(ヴォーカル)
浅井健一(ギター&ヴォーカル)
TOKIE(ベース)
椎野恭一(ドラムス)
各分野で活躍する名うてのミュージシャンが集まり2000年に結成し、フルアルバム「深緑」を発表。全国ツアーを各都市のライブハウス14カ所で行い、そのまま解散した伝説の音楽ユニットなのだ。残された音源は、前述のアルバム1枚とツアー内容を収録したライブ盤のみだ。
BLANKET JET CITYで若者を虜にした浅井健一(ベンジー)が一歩引いて、一人のギタリストとして、天才歌姫UAを或る時は優しく包み込み、或る時は激しく対峙する。それを支えるリズム隊のTOKIEのウッドベースは地を這い、椎名のドラムは常に正確かつ美しいテンポが音場感を作り出す。所謂、オルタナ系だが、JAZZのエッセンスを取り込み、浅井のギターは必要以上に歪ませず、各楽器の響きと切れを優先した「COOLなロック」である。しかし演奏自体はとんでもなく熱い。特にライブ盤でのインプロゼーションは別格で、全ての楽器が戦い、溶け合う様は、既存のロックバンドでは辿り着けない領域だ。ヴォーカルというものも、一つの楽器である事を認識させられた初めてのバンドでもある。
ライブ最後の曲が終わり「また、どっかで会おうぜ」とベンジーが嘯いて20年。今でも最前線で活躍し、演奏者としてはカリスマ的存在になりつつある4人が、今、集った。彼らの真意は分からぬが、長引くコロナ禍が引き金になったのは間違いなかろう。この1年の音楽業界の損失も測り知れない。それはミュージシャンに限定されず、音楽製作やライブ活動に関わる全ての人間の生活の糧を奪っていった。この苦境に、昨今、多くの著名なミュージシャンが立ち上がっているようだ。AJICO再結成も単なる自分達の営利目的だけの同窓会的な再結成でないのは、今までの彼らの足跡と今回発表された作品のレベルで推察出来る。
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- アーティスト: AJICO
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2021/05/26
- メディア: CD
今作の限定版が嬉しいのは、20年前のライブ映像がDVD化されている事だ。「AJICO SHOW」として当時売り出されたDVD(廃盤)は、全国ツアーの編集版で演奏が途中で切れる曲も多かったが、今回は新宿リキッドルームでの演奏がほぼ収録されているのだ。映像は当然古く、画質も良くないが、20年前の彼らの熱い息吹がそのまま感じられる。
「AJICO SHOW」から『深緑』(2001年)
BJCの名曲も彼らの手にかかると...『ぺピン』(2001年)
今月、再結成ライブも予定されている。行きたいなぁ〜でも密かなぁ〜行きたいなぁ〜と思っているうちにSOLDOUTでございました
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