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文治 喬太郎 桃太郎 三人会 [上映中飲食禁止]

「柳家喬太郎」が好きなのだが、なかなかチケットが取れない。馴染みの浅草演芸ホールなどの寄席では何度か聴いているが、独演会などは人気があり競争率が激しいのだ。狙いどころは、ソロコンサートではなく団体戦で、しかも場末のホールだ。先月は、江東文化センターでのさん喬一門会で、本日は日本橋公会堂での3人会で、彼の噺を生で堪能してきた。

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3人会の構成は、前半は一人1演目づつを演り、後半は3人でのトークショーだ。

前座の桂空治が元気な「鈴ヶ森」で露払い、まず、大ベテラン昔昔亭桃太郎が脱力感タップリに「道具屋」を軽くこなす。初めて彼の噺を聞いた方は、「もっと真面目にやれ!」と憤るかもしれないが、これがこの爺ちゃんの味なのだ。
そしてお目当の柳家喬太郎である。落語の楽しみの一つは演題に入る前の枕でどれだけ観客を引き込むかだ。
「あのぉ〜また緊急事態宣言なんだね、凄いすな。もぉ、なにか困った時の緊急事態宣言なんだね。今回は8月22日までやるっつうんでしょ。夏休みかよ。そんなに長い間、緊急事態なの?それはもはや緊急事態とは言わない!」
独特の丁寧な江戸弁を駆使し、客との間合いを計りながら、爆笑と拍手の渦を攫っていく話術の凄さ。市井の人々が感じている事を洒脱に代弁するのは、江戸時代から変わらぬ噺家の特技なのかもしれない。本日の二人の先輩をあげつらいながら、「共演者とのバランスを考えてその日の演目を決めるんだが、今日は非常に立ち位置が難しい」と言いながら、観客の期待を膨らませる。芸域の広い彼の今日の出し物は古典か新作かはたまた会談噺か?先月は「任侠 流山動物園」という三遊亭白鳥の新作落語に抱腹絶倒した。果たして...いきなり酔った中年男性が登場する。動画で観た事がある『夜の慣用句』[exclamation×2]彼のオリジナルの新作落語である。生で聴くのはもちろん初めてで、内容は知っていても爆笑の嵐である[ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)]




彼の新作落語なら、この演目と『午後の保健室』が小生のお好みである。一人何役も演じるのが落語の妙だが、特に彼の演じるいやらしい中年オヤジは秀逸だ。

本日はこれを聴けただけでも十分だったが、その後トリの桂文治の切れのある「お血脈」も楽しませてもらった。二部のトークショーは、大先輩の桃太郎を囲んでの噺家の他愛のないおしゃべりで、喬太郎も先輩に気を遣ったか、本領の毒舌は封印の感ありだったけど。

度重なる緊急事態宣言で、首都圏在住の噺家の生活の糧がまた細っていくだろう。そんなことも笑い飛ばしてネタにしてしまう彼らを少しでも応援できればと思う。もっと寄席に行かねば[パンチ]

やっぱり落語はいいねえ〜

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