イマカツ【トンカツ・東銀座】 [江戸グルメ応援歌]
年に一度の人間ドックに行ってきた。
男の厄年(42歳)から、春の健康診断と共に秋に人間ドックを受ける事にしている。再度の厄年(60歳)を迎えても大病せずにいられたのは、その為とは言わない。ただ、歳の割には不摂生の極みの食生活を続けられるのは、学生時代の試験結果の如く受診後に届く診断結果のおかげなのだ。50歳からは念入りに、胃の検査をバリウムから内視鏡に変え、また愛煙家継続に向け肺CTスキャンをオプションで付けている。要するに、健康の為というより不摂生を続ける免罪符を戴く儀式みたいなものかもしれない。いつも女房に叱られるが...
毎回、胃カメラが唯一の難関だった。喉を通るスコープを身体が拒絶して、えずきっ放しなのだ。自分の娘のような看護師に『ヨチヨチ、頑張ってくださ〜い』と背中をさすられ、涙・涎まみれのオッチャンのプライドは地に堕ちるのであった。だが、3年前から鎮静剤使用を決断してから難関が快感に変わった。当初は、強制的に眠らされて、そのまま目を覚さなかったらなどと不安がよぎったが、寝ている間に全てが終わるという簡略さを知ったら、もう後戻りできない。本日も、麻酔医が点滴の針を腕に射した3秒後に意識が飛び、軽く肩を叩かられて目を覚ましたら終了だ。「良くお眠りでしたよ」と看護師がにこやかに話ししたので、「大きいイビキ、かいてました?」と聞くと微笑みで返してくれた
全ての検査が終了し、街に出る。歌舞伎座タワー内の病院なので、東銀座の交差点界隈で昼食だ。検査のため朝食抜きだったので腹ペコだ。検査完了のご褒美に高カロリーの肉系がいい、そして食事場所はもう決めている。
『イマカツ』銀座店・・・六本木に本店を置くトンカツ専門店だ。昨年の人間ドック終了後に偶然に飛び込んだ店だ。その時、トンカツメインであるのだが、この店のこだわりの一品である「ささみかつ」を食し軽い衝撃を受けたのだった。昨年は「ささみかつ膳」だったが、今回は「イマカツ膳」という盛り合わせランチを注文だ
盛り合わせの内容は「ささみ2本、一口ヒレ、メンチ、カニクリーム、ナス」の6品にキャベツ・ライス(五穀米も可)・味噌汁だ。まずは、ささみかつを塩で頂く...蘇る感動 尋常ならざる鶏肉の柔らかみと極限まで薄く軽く揚げた衣が渾然一体となって口の中でとろけていく。フライ好きの小生は、串揚げ屋にも結構通うが、このレベルまで素材を活かして揚げる店は無かった。本来は旨味が薄いと言われるささみ肉の優しい味わいが存分に前面に押し出されて来るのだ。厳選された食材と独特の調理法の賜物と思われる。初めて食すヒレ肉とメンチも同様に絶品であった。
元々は、豚ロースの溢れ出る肉汁と粗いパン粉のザクザク感を濃厚ソースでガッツリ頂くのが私の本流なのだが、この店の一品は、そんな小生にカツの全く別の魅力を教えてくれた。そして加齢と共に、ますますこちらのお品に嵌るであろう事を予感させるのであった。
美味しそうですね^^
揚げ物、大好きです。
いつまでも美味しいものを
食べたいだけ食べられる体でいたいですね^^
by 青山実花 (2022-09-04 07:41)
> 青山実花 様
いつも美味しく食べられた物が不味く感じたら
身体の危険信号だと思っております^^
by つむじかぜ (2022-09-08 00:19)