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『鶯谷』の昔日を歩く② [寫眞歳時記]

〜教養高いエリアを少し離れてレトロな街並みを散策してみる〜

根岸小学校(明治7年開校)池波正太郎、有吉佐和子、林家三平一家の母校
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蔦の絡まり具合が素敵な喫茶店
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なんだか嬉しくなるなぁ
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洋食」とは?
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謎を解きたくて思わず入店[わーい(嬉しい顔)]
小生と同年代と思しきマスターとアジア系アルバイトの二人で切り盛りする昭和色溢れる店だ。店内は有名人の色紙とマスコミ取材を受けた昔の雑誌の切り抜きが壁中に張り巡らせており、いわゆるありがちな往年の人気店と見た。石破総理の大臣時代の堅苦しいサインの横に2代目林家三平のふざけた色紙が並んで、思わずニヤリとしてしまう。だが俗っぽい雰囲気の店と思いきや、モダンジャズの慣れ親しんだ名曲がしかも高音質で流れているではないか。このマスターに自分と同じ変態的な匂いを感じてしまう。メニューを一瞥して、当店イチオシ「名物ヒレの生姜焼き」と「手作りハンバーグ」の強気の2品注文じゃ[パンチ]

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感動的な味だった[黒ハート]
生姜焼きと言えば、豚ロースかバラ肉が定番だが、厚切りヒレ肉でここまでジンジャーの香り溢れる食感は初めての経験だ。ハンバーグは一口で手ごねと分かる程よい柔らかさに赤ワインたっぷりのデミグラスソースが絡まった絶品だった。どちらもフレンチを取り込んだ上品な洋食というより、素材と味付けをストレートに表現した下町の味なのだ。生姜がガツーン、赤ワインがドーンである。舌鼓を打ちながら改めて店内を見渡すと、圧倒的な色紙に隠れて、JAZZの名盤ジャケットも何枚か飾られていた。よく見ると全て「サイン」入りではないか[exclamation&question]チック・コリアやジャッキー・マクリーンだぜ[がく~(落胆した顔)]
会計を済ませながら「大将、ジャケットのサイン、みんな本人だよね」と聞けば「70年代の頃から集めましたからね。みんな死んじゃったね」とマスター。やはり小生と同種系だった。
グリル・ビクトリア・・・後日調べると創業1965年の老舗だった。年代的に現マスターは2代目だろうか。洋食の答えには辿り着けなかったが、場末の下町で頑張るマスターの心意気を感じる料理だった。また来よう[わーい(嬉しい顔)]

住宅街を彷徨くと幽霊屋敷のような洋館が静かに佇んでいた。

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旧陸奥宗光邸である。日清戦争を主導した外務大臣であり、幕末から「坂の上の雲」時代を生きた政治家だ。借金返済の為に売却された邸宅だが、現在も同じ敷地内に住む後継者が生活しているようだ。この外観からだと、内部のメンテナンスにも疑問が伴う。歴史的建造物を個人で保有するのは本当に大変な事だと思う。

工事中、ひと休み[黒ハート]
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安政5年創業の居酒屋「鍵屋」(現店舗は昭和49年築
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創業60年の「手児奈せんべい」
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大福、旨いっす「竹隆庵岡埜」
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食い物屋巡りに変貌しているが、トドメは此処だ[どんっ(衝撃)]

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『デン』・・・昭和46年創業の喫茶店。昨今の古カフェブームで混雑必須の人気店になっているようだが、運よく入ってみれば昔ながらの普通の家族経営のサテンだ。この店を有名にしたのは独特のメニューにある。食パン一斤をくり抜いてグラタンを流し込んで焼き上げた『グラパン』は空前絶後のユニークなB級グルメらしいが・・・さすがにもう食えない、今日のところはデザートだけで勘弁してやろう[パンチ]

特製フレンチトースト
(チョコ+生クリーム+ソフトクリーム+メイプルシロップぶっかけ)
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やっちまった[あせあせ(飛び散る汗)]...結局、カロリー的にはデミパンより高いと思われる[がく~(落胆した顔)]
飽食に爛れた老体がさすがに重いが、何とかJR鶯谷駅の南口方面に向かう。

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この周辺は眩い繁華街の時代の名残が感じられる。廃業していると思っていた「ダンスホール・新世界」が営業中なのは少々感激してしまった。昭和44年に開店した都内最古にして最後のダンスホールであり、映画「Shall We ダンス?」の舞台にもなった伝説の場所なのだ。着飾ったご婦人が、一人、二人とビルの中に消えて行く。肥満防止のために、定年後は社交ダンスを趣味にするのも悪くないかも...と無謀な思いが駆け巡った鶯谷の1日だった。嗚呼、駅の階段がシンドイのだ[ダッシュ(走り出すさま)]








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青山実花

鶯谷の駅周辺は、
まだ歩いていません。
駅制覇するうち、
必ず行きますが、
つむじかぜさんのように、
素敵な場所が見つけられると
いいなぁと思います^^


by 青山実花 (2024-11-21 10:24) 

つむじかぜ

> 青山実花 様
実花様の視線での発見が楽しみです!
by つむじかぜ (2024-11-22 09:41) 

よしあき・ギャラリー

好奇心旺盛なところが素晴らしいです。
by よしあき・ギャラリー (2024-11-22 10:55) 

JUNKO

鶯谷はすごいところですね。このルポでけで十分に楽しめました。できたら一度行ってみたいです。
by JUNKO (2024-11-22 11:22) 

ぼんぼちぼちぼち

デン、喫茶店マニアなので一度訪れたことがありやす。
やはりあっしも、お腹の都合でグラパンは頼めやせんでやしたが。
超有名店であるにも関わらず、お店のかたがとても謙虚で感じが良かったのが、印象的でやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2024-11-23 12:34) 

hagemaizo

今日も楽しかったな。
これをガイドに根岸鶯谷あたりをぶらつこう、一軒くらいは入ってみよう、そんな気分になりました。。
さてさて自慢するのですけどね、新世界は行ったことがあるんです。
と言っても和太鼓グループのパフォーマンスを見に行って、和太鼓の音の強烈さに心臓に来てしまって、プログラムの半分で帰ったのでした。
by hagemaizo (2024-11-23 22:24) 

つむじかぜ

> よしあき・ギャラリー 様
旺盛な好奇心と羞恥心の欠如で頑張ります^^;
by つむじかぜ (2024-11-24 00:56) 

つむじかぜ

> ぼんぼちぼちぼち 様
下町らしい家族的な雰囲気が素敵でした。
次回はグラパンに挑戦します!
by つむじかぜ (2024-11-24 00:57) 

つむじかぜ

> hagemaizo 様
「新世界」は貸しホーとして別イベントもやってるのですね。
社交ダンスは無理でも、一度は中を拝見したい^^
by つむじかぜ (2024-11-24 01:03) 

つむじかぜ

> JUNKO 様
上野から鶯谷にかけては、歴史文化と猥雑さのごった煮状態が
楽しめる、都内随一のエリアだと思います。
by つむじかぜ (2024-11-24 23:48)