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オステリア ブッビーノ【パスタ・人形町】 [江戸グルメ応援歌]

イタリアンの銘店に間違いない。もしくは、近い将来には、きっとなるであろう。

まだ、ランチパスタしか食べて無いけど...

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緊急事態宣言がとりあえずは解除された。この期間に多くの国民は気付いたはずだ。日本政治の無能さと日本国民の勤勉実直さを。全く心に響かない日本のトップの話を聞き流し、これが安全宣言でないことを十分悟っている。そして、結局は自分の力で道を切り開かねばならぬ事も。


多くの時短営業の飲食店の戦いは、まだ始まったばかりかもしれない。

モノトーンのシックな店内と千円ランチパスタに、思わず吸い込まれた。若いスタッフが多いようだ。客はまばらだが、さりげないオーダー取りが小気味良い。別のスタッフが、客が引き上げたばかりのテーブルを消毒水を使いながら丁寧に拭いている。

1000円ランチは、前菜盛り合わせとメインメニューから1品を選ぶ組合せだ。スパゲッティ・フジッリ(ショートパスタ)・手打ちタリアッテレ・リゾットの4種だ。イタ飯は食べ慣れていないのだが、旬の素材と共にあまり見ない材料との取り合わせが多いようだ。しかも、このメニューは毎週変更されている。更に大盛り無料!

リゾット以外で、今のところパスタメニュー1往復しております[ぴかぴか(新しい)]

或る日のスパゲッティ
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或る日のフジッリ
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或る日のタリアッテレ
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長〜いメニュー名を覚えていないのであしからず...なのだが、全て美味い。過去に食したパスタ類の味覚とは一味違う素材の活かし方を感じる。そして見事な麺の茹で加減(アルデンテ)が、食欲を大いにくすぐるのだ。

若きオーナーシェフは、昨年の台風被害で浜町のイタリアン人気姉妹店を閉店し、近所の甘酒横丁にお洒落なイタリアン焼肉店をオープンさせている。この「マンツォヴィーノ」という焼肉カフェテリアにも、偶然、昨年伺っていた。あまりに上等なYAKINIKUに、「焼肉は七輪でガツーン」がポリシーの私には少々敷居が高かったが、他に類を見ないスタイルと味付けには驚かされた記憶がある。
逞しき商魂と味への探究心。外連味のないスタッフの立ち居振る舞いは、教育というよりはオーナーの人間性の為せる技か。推測の域を出ないが、このご時世に、人形町一等地での2店舗経営は非常に厳しいと思われる。後から知ったのだが、この店「見知らぬビブグルマン」を獲得していたとか。

必ずやこの苦境を若いスタッフ達と乗り切って我々に魅惑の料理を提供し続けて下さい。
近いうちに、女房とフルコース・ディナーを戴きに伺います[ぴかぴか(新しい)]




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そよいち(洋食・人形町) [江戸グルメ応援歌]

ランチタイム〜陽の光を大きく取り込んだ店内がまばゆく輝く。

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10人強のカウンターに正対したキッチンで、3人の女性が手際よく調理をこなす。

野戦病院の看護婦たちが、注射器を包丁に持ち替えて切り盛りしているような、清潔感漂う店内に真剣味と厳かさを感じる。そう、ここは女の戦場なのかもしれない。

老舗「洋食キラク」のスタッフが2009年に立ち上げた店で、独立時の親店との確執を小生は知らぬが、今や老舗を凌ぐ人気店となっているようだ。注文が入ると、女性スタッフが下準備した素材を、マダムが一品づつ丁寧に調理していく。

当店の看板料理「ビーフカツレツ
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少々揚げ過ぎかなと思いきや、外はカリカリ中はジューシー。
独特の下味と共に肉の旨味が口中に広がる。

ポーク・ソテー
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こちらもウエルダン級の火入れ。
豚肉本来の噛みごたえと旨味が嬉しい。溢れ出る肉汁とニンニクのソースだけでお代わり必至!

洋食定番の「ハンバーグ
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こちらはトロトロだ。多分つなぎを抑えて肉の味を十分引き出している。
デミグラスソースも深い。

今春、人形町の会社に勤めて以来、何度もランチではお世話になっている。
当店も、コロナ禍の影響で平日は時短営業、土曜日はテイクアウトのみの営業に切り替えている。
聞く処、土曜日に来店したお客様にはテイクアウトが不評らしい。判る気がする。このカウンターに座り、目の前でマダムが調理した「肉」を食らうのが、この店の味であり、魅力なのだ。

ナイチンゲールの如く神々しいマダムの調理姿が眩しいプロの洋食屋さんだ。
落ち着いたら晩飯にも伺います、今しばらく踏ん張ってください[exclamation×2]


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『コンテイジョン』 [上映中飲食禁止]


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パンデミックをテーマにしたSF映画の秀作を密林プライムで改めて観てみた。

劇場で鑑賞したのが、東日本大震災の起きた2011年末だから、すでに9年近くも前の作品だ。世界をコロナ禍が襲う今、この映画を見返すと、絵も言われぬ感慨が押し寄せてくる。当時の小生の稚拙ブログに綴っていた感想を読み返すにつけ(https://tsumujikaze2.blog.ss-blog.jp/2011-11-20)、当時の能天気な自分が恥ずかしくなる。

まず、この作品が、SARSや豚インフルエンザの流行を元に、医学的な事象や世界の保健機構を極めて正確に描かれている事に驚かさせる。聞き慣れなかった「実行再生産数」や「抗体調査」は、今や日常用語だし、「CDC(アメリカ疾病予防センター)」の実在は、今にして納得している訳である。

未知の病気による死者が日中米で発生、米国土安全省が生物兵器テロの可能性を示唆する水面下で、CDCがウィルスの解明に動くが、感染者は世界各地で急増する。街に溢れた死者は、ビニール袋に詰め、流れ作業的に埋葬されていく。シカゴ・ミネアポリスは都市封鎖、デマが横行し、市民のストレスは暴動・強奪に向かう...
まさに「今」を最悪にシュミレートしたような映像が瞼に焼き付く。それ以上に、極限化に置かれた人間の種々の行動が胸に刺さる。

政治家、研究家、医療従事者、ジャーナリスト...職業・組織を超えて、父として母として、一人の人間として『何を信じて行動するか』を問い、あえて正解は示さない。カミュの「ペスト」や100年前のスペイン風邪の時代から、人間の本質は何も変わっていないのだ。100人いれば100通りの考えと生き方がある。医学は飛躍的に進化し、情報のグローバル化に時差が無い現代でも。

ジュード・ロウの太々しい生き様に、一瞬憧れたりもするが、なり切れない自分に気付かされる。自分にとって「正しく生きる」とは「他人を傷つけない」事なので。

オスカー常連俳優陣の配役に沿った自然な演技と徐々に危機感を増幅させる緻密な演出が、人間の根源的テーマを浮き彫りにする秀作である。

最後に、劇中前半でウィルスの犠牲となった医師を演じたケイト・ウィンスレットと、妻と息子を一瞬に失い必死で娘を守り続ける父を演じたマット・デイモンの言葉を...


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太田【寿司・人形町】 [江戸グルメ応援歌]

この春、本社から孫会社に転籍し、勤務先が日本橋人形町になった。サラリーマン最期の仕事場だろう。

着任以降、コロナ渦中でも、超アナログ企業につき毎日出勤し、粛々と通常業務をこなす日々が続く。

せっかくのお江戸日本橋、ランチタイムくらい楽しみたいものだが、このご時世である。名だたる老舗や流行りの名店の多くは、営業自粛に陥っている。そんな中、時短営業やテイクアウトで、息をつないでいる個人店には頭が下がる思いだ。営業の是非を問うべきではない、パチンコ店とは根本的に違うのだ。非常事態宣言延長の東京で、事業継続への想いと職人の意地を見せる店を、今後しばらく紹介していきたい。

日本橋界隈には寿司の名店が多い。だが、お好みであっという間に諭吉が飛んでいく店には、何度も通うつもりにはなれない。ランチタイムに良心的な価格で、しかも「大将」が握る江戸前寿司が、つむじ風の推す名店である。


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この佇まいに誘われて、初めて暖簾をくぐったのが、緊急事態宣言前のランチタイム。現在の勤務先から徒歩30秒である。平時は、行列待ちの有名店らしいのだが、私が伺った時は、8人がけ位のカウンターに2名が食べ終わった頃合いだった。ランチは3,000円と4,500円のみとの事で、当然、3,000円コースをお願いする。

「うちはシャリの量によって、普通・気持ち少なめ・少なめ・極小があるんですが、いかがします?」と、親父さんが聞いてきた。職人は一人しか見当たらないので、この色黒強面の割に優しい声の持主がご主人だろう。

いつもの癖で、思わず「普通で」と答えると、「普通で、よくある寿司の倍以上あるけど」と言われ、歳を考え「じゃあ、気持ち少なめ目で」と弱気に訂正、大将の目が優しく笑う。奥様らしき方が、お茶を運んでくる、箸は無い。

一貫目のマグロから圧倒された! デカい赤身とシャリの間に中トロに近い中落ちがたっぷりと仕込まれている。さっぱり目の赤身とトロのネットリとした脂が口の中で溶け合う。絶品である。中落ちと思われたのは、マグロの頭蓋付近の身を削ぎとった稀少部分との事。それにしても、シャリがデカイ。これで「気持ち少な目」とは...
次々と旬の素材が、全て大振りに握られてくる。白身も光り物も貝も美味い。後半戦の玉子と軍艦に至っては、思わず笑いが出ながら頬張った。大の大人が、一口で食べきれない大きさなのだ。イクラもカニ身も溢れる溢れる[exclamation×2]

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最後の巻物は選択制で、小生はかんぴょう巻き(気持ちサビ入り)を注文して、正味20分のランチタイムは終了した。この満足感と満腹感は久しぶりだ。

芸術品とも見紛う江戸前寿司も感動的ではあるが、そもそも寿司は江戸のファーストフードである。気楽にサクッと腹一杯が大原則なのだ。江戸前の技術をしっかりと受け継ぎながら、良心的に、しかも嫌と言うほどたらふく食わせてくれるこの店の凄さ。名店である。

緊急事態宣言後の先週にも行ってきた。20時閉店、ランチメインの時短営業をしていた。周りの老舗店は、ほぼ完全休業中だ。消毒液完備、カウンターは1席おきの着席にしていた。
昭和30年開業、現在、2代目店主が夫婦で切り盛りしている。

先代が、若いお客様に1人前でも腹一杯になって欲しいと言う思いから始めた「大握り」を今も引き継ぐ。

ランチ参千円は贅沢ではあるが、定期的に通って応援したい名店である。




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アマリリス [寫眞歳時記]

この春、初めてのチューリップの球根栽培が成功して以来、調子に乗っております。

アマリリスの水栽培セットを注文し、室内で育てていたのだが、3週間程で美しい花を魅せてくれました。

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球根がセットされたポットに、定期的に水を遣るだけで土も肥料も必要無し。芽吹いてからは、グングン茎を伸ばし、多くの花弁をつけていった。少々、感動してしまった。

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可憐で小さな花も好きだが、大振りでゴージャスな花は、育成の過程がじっくりと見られて楽しい。

おっさんの気まぐれ趣味がいつまで持つかは疑問だが、加齢と共に、季節の花を愛でるのが楽しくなったのは事実のようだ。

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今、花の名所では、人が集まらぬよう、薔薇や藤の花が切り落とされているらしい。
小生は、夏の個人の楽しみとして「ダリア」の球根を鉢植えにしてみた。

大輪を咲かせる真夏には、コロナ禍が一服している事を願って...


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