CD大整理から思わぬ展開 [偏愛カタルシス]
大量のCDを断捨離中?である。数えたことは無いが1000枚は越しているだろう。
施設に入った母の部屋を整理していたら、父の遺品含めて大量の「使わないモノ」が出てきた。自分が終活をするのは少々早いかもしれないが、個人の思い入れだけで利用できない物を保管し続けるのは、妻や子供に余計な手間をかけさせるだけだと思った。
オーディオセットが鎮座するリビングは、今や女房の書斎と化し、かつての高級音響機材は埃を被ったままだ。私はといえば、8年前の単身赴任時に購入したアンプとスピーカーを無理やり、机に上に置き、パソコンと繋いで音楽を愉しむのが関の山だ。わざわざCDを探し出して、大音量で聴く機会は無くなったに等しい。
かと言って、所有CD全てを一気にブックオフに持って行く根性が無いのが情けないところ。ここは文明の利器に頼るべきと考え、全CDの音楽ファイルをハードディスクに保管した後に売却することとした。今風に言えば、自分の音楽資産を「ミュージック・サーバー」化するのである。アルバムCD1枚のリッピングに7,8分位かかるので、気が遠くなる作業だが、自粛期間中なのでノンビリやっている。アナログレコードからCDに変えてからの35年間の音楽遍歴を振り返ると思えば、逆に楽しくなる自分がいた。
既に200枚完了し、CDは処分した。保存したデータは、iphoneと連携してアーチストやアルバム検索で一発で再生出来るのだ。CDの山から探す必要なし、恐るべき進化だ。「こんなCD買ったっけ?」みたいなのもボロボロ出てくるが、これらをヘッドフォンで聴くと、これがまたなかなか素晴らしいのだ。リッピングデータをDACとアンプを介すと、非常に精緻かつ豊かな音色になる。スマホ慣れした薄っぺらい音質とは桁違いなのだ。今流行りのハイレゾ音源も、そのまま再生可能だ。そうなると、中古で買った今のスピーカーから流れる音のキレに満足できなくなってくる。
あ〜、いかん、いかん、いつもの悪い癖が出てきてしまった。
.....すでに秋葉原電気街を歩き回る爺いが一人...
『結局、なんだかんだ言い訳しながら無駄遣いするのよね、あなたは』
「すみません、夏のボーナスで返します...出なかったらゴメン」
奇しくも久しぶりにじっくり音楽を聴きたくなる環境になってしまった
最近は聴いていなくても思い出深いCDとも再会する。
チケット入りのが出てきたり...
Call of the Search by Katie Melua
- アーティスト: Katie Melua
- 出版社/メーカー: King Japan
- メディア: CD
デビュー直後のケイティ・メルアの初来日コンサートに妻と行ったことを思い出す
彼女が敬愛する「Eva Cassidy」という夭折した歌手を知り
その人が私の永遠の歌姫になった...という経緯
昔のブログでも取り上げたが、初めてこの歌声に触れた時、涙が溢れそうになった
完全処分への道のりは長いが楽しい日々
素晴らしい音楽は、良い音で聴くと、更に幸福度が増すのだ
雪の曲〜ポプシ&石川セリ [歌姫列伝]
今、ファミリーマートで『ミックスファム with Your Voice』というキャンペーンが実施中だ。https://www.family.co.jp/campaign/radio.html
商品の販促ではなく、店内でFM放送のように途切れることなく音楽が流されている。偶然に、その宣伝を目にして、今週のオンエア曲を眺めていると...国内外の新旧の有名アーチストに混ざって小生の溺愛する「Swinging Popsicle」の曲があるではないか
結成20年を超えたベテランロックバンドではあるが、メインストーリムを歩むことなく、されど極上のポップロックを提供し続ける稀有なメロディーメーカーだ。ファミマキャンペーンでは、毎週季節に合わせた選曲がされるようで、今週のテーマは「真冬、雪」だ。そして彼らの珠玉の名曲がそれに選ばれていた
結成20年を超えたベテランロックバンドではあるが、メインストーリムを歩むことなく、されど極上のポップロックを提供し続ける稀有なメロディーメーカーだ。ファミマキャンペーンでは、毎週季節に合わせた選曲がされるようで、今週のテーマは「真冬、雪」だ。そして彼らの珠玉の名曲がそれに選ばれていた
小生にとって「雪の曲」と言えばこれなんです
『スノーイズム』
いやはや、無名のバンドのしかも16年前の曲を選ぶとは...聴いている人は聴いていたんだな...ちょっと感動・感涙 シンプルな曲調ながらギターアンサンブルの素晴らしさ、藤島美音子の沁みるヴォーカル〜堪りません
...で、もう一曲
昭和〜平成バブルを過ごした我ら世代の大半は「雪」を連想される代表曲と言えば、空前の「私をスキーに連れてって」ブームから松任谷由実の『恋人がサンタクロース』や『BLIZZARD』か、スキー用品CMの広瀬香美『ロマンスの神様〜ゲレンデがとけるほど恋したい』を挙げるだろうが、そんなアバンチュールに縁の無かったへそ曲がりの小生は、さらに時代を遡ってこの曲を高らかに掲げる。セリ嬢のハスキーヴォイスは永遠なのだ
石川セリ『Snow Candle』(1981年)
(昔、自分で作った動画が残ってたので...ソチ五輪ブロンド娘特集)
週末は、関東地方にも大寒波の予報
東京にも積雪があるかもしれいないとか...
今のうちファミマに行って食材の買い出しじゃ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
- 発売日: 2003/11/26
- メディア: CD
- ベスト盤に収録されています
どこか冬商品のCM曲で使ってくれないかなぁ
貴方の思い出の冬の曲は何でしょうか?
『ニューヨーク 親切なロシア料理店』 [上映中飲食禁止]
ガラガラの映画館で美しき天使に出逢う
コロナ禍と勤務先の変更が重なり、昨春は健康診断が受けられず、秋に人間ドックを申し込んだのだが、申込過多により年越しになってしまった。ドック自体は3時間ほどだが、代休扱いにして、久しぶりに平日丸々休みにした。感染防止対策万全の東銀座の診療所で、流れ作業的に検査を受け、午後には解放された。2年前の腹囲より3センチほど膨張したのをコロナのせいと決めつけ、寿司ランチの後に、久しぶりに銀座をそぞろ歩き、人影まばらな映画館に入った。
ニューヨーク・マンハッタンにあるロシア料理店「ウィンター・パレス」は創業100年を超える老舗だが、今や古びて料理もひどく、かつての輝きをすっかり失っていた。経営再建のため雇われたマネージャーのマークは刑務所からの出所直後、常連客の看護師アリスは他人のためだけに生きる仕事一筋の変わり者で、店に集まるのは訳ありな人物ばかり。 ある日、夫から逃れてきたというクララが、二人の子供を連れて店に転がり込んでくる。(シネマトウデイより)
題名の印象から、最近流行りの「シェフの立身出世物語」と予想したが、完全に外れた。英語には疎い小生でもイメージできる、原題の『Kindness of Stranger』そのままの内容であった。邦題の付け方で、特にマイナー作品は集客が左右されるので、センスある意訳を望みたいところだ。
ニューヨークの老舗レストランを舞台に、心の葛藤を抱える人々の出会いから生まれる小さな幸せを描いた。夫のDVに耐えかねた女性が、二人の子供を抱えて、無一文でニューヨークに転がり込んでくる事態が現実離れしており、そんな素性の知らぬ母子をいきなりレストランに住まわすオーナーが心の病を抱えているという無理矢理な設定である。定職に就けずドロップアウトして行く青年と共に、都会の片隅で葛藤を抱え苦しむ人々を描こうとしているが、ドキュメンタリーほどのリアリテイには欠けている。
少々残念な構成の中、一人気を吐く女優の魅力が、作品の体を何とか支えている。(あくまでも個人的に)
アンドレア・ライズボロー
『オブリビオン(2013)』でのトム様の偽恋人役で見覚えがあったのだが、この女優の七変化がなかなか凄い。黒毛、ブロンド、ショート、ロングと髪型と化粧によって個性が極端に変わる。
小生は、今作に近いブロンド・セミショートの柔らかい雰囲気がお好みであ〜る
彼女が演じるアリスは、ERに勤める看護師だが、非番の日には、心の病の人々の赦しの会を主宰し、ホームレスへの炊出しも行うボランティア精神溢れる女性である。彼女のブロンドの髪をかき上げながらの立ち居振る舞いに、小生は一発KOされてしまった自分の時間の全てを他者への奉仕活動に費やすアリスの精神性や生い立ちには全く深掘りしないのが、この作品の軽薄さを一番物語っているが、この際、関係無しだ。この慈愛に満ちた美しき女神に巡り会えただけでも、小生にとっては収穫有りの鑑賞であった。
鑑賞後は、喫茶店でデザートタイム『銀座みゆき館 銀座5丁目店』
本店はみゆき通りにあるが、小生は此処が昔からお気に入りなのである。学生時代、東銀座駅近くの晴海通りの地下の「三原橋商店街」の一角に「銀座地球座・名画座」という映画館があった。その後、「銀座シネパトス」と名を変え、2013年に閉館するまで国内外のマイナー映画を上映する、小生にとって穴場的存在だった。喫茶店は1999年頃から出店しており、映画館から地上に出ると目に前の此処で一服がてら立ち寄ることが多かった。今や、地下商店街自体が消滅し、歌舞伎座も改築され、当時のこの辺りの風景も様変わりだ。もう映画も観られない為、機会は大分減ったが、この喫茶店だけは、たまには顔を出したい。
「ポール・ロジャース」男が惚れる歌声 [偏愛カタルシス]
再度の首都圏緊急事態宣言により、この連休は早くも巣篭もり体制です。とは言いつつも、実は、ほとんど以前と同じ生活だ。リモート不可のアナログ会社ゆえに常に出勤せねばならぬし、夜の団体での会食自粛は、昨春から続けているので大勢に影響は無い。ただ、残業後の一人飯ができないのと、映画のレイトショーがなくなるのが、少々つらい。愛する妻との会話が増えるのも恐ろしいので、Net放浪が少々増えそうな雲行きだ。
女性ヴォーカル・フリークである小生は、野郎の歌声には殆ど興味が無い。そんな小生に、一人好きな男性ヴォーカリストを挙げろと言われたら、昔から聴き続けている彼を迷わず選ぶ。そんな彼の最近の映像を偶然に見つけて、感動してしまった
ポール・ロジャース・・・御歳71才。60年代後半から活躍するイギリスを代表するロック歌手である。彼が初期に結成した、今や伝説的バンド『フリー』を中学時代から良く聴いていた。高校時代にバンドを組んで、初めて演奏した曲も彼らのナンバーだ。なかなか完奏できなかったが...哀愁に満ち、かつ力強いポールの歌声が、当時のロック小僧の胸に染み渡った。今はやりの高音シャウトなどせず、裏声なんぞもっての外。まさに、漢の極太ブルース・ロックの王道だが、古臭さを感じさせない豊かな表現力。それから約半世紀、古希を過ぎても、ここまでの声量を維持しているプロ魂に感動なのだ。往年のロック・スターのほとんどが激太りする中、昔のままのスリムな体型は憎らしいほどだ。(あやかりたい)
50年前の『フリー』の演奏〜「ALL RIGHT NOW」〜
最近の若者の洗練された楽曲に慣れ過ぎて、こんなシンプルな演奏を久しぶりに聴くと、無性に嬉しくなる。今時、こんな風に渋くギターを弾く人もいないね。全員が20歳前後の青年だが、彼のヴォーカルだけは大人の味だし、しかも老け顔だ。小生も、この年頃までは、結構スリムなイケメンだったんだがなぁ〜
この鳴きのギタリスト・ポール・コゾフがドラッグ漬けとなりフリーは短期で解散。その後、ポール・ロジャーズは「バッド・カンパニー」を結成、人気を博すが、80年代に入ると、ソロが活動の中心になっていく。バッド・カンパニーの再結成などを経て、2005年にはクィーンの再結成バンドに加わる。故フレディ・マーキュリーとは対極の個性ゆえ、この組み合わせは小生も驚きであったが、素晴らしい演奏を聴かせてくれた。彼は、どんなバンドがバックでも、すべて「ポールの歌」にしてしまう底力があるのだ。(往年のクィーンファンからは不評のようだったが)
フリー後期の名曲「Wishing Well』をQueenアレンジで
一貫してスタンドマイク使いがトレードマークの彼だが、これ程サマになる歌手は、我国のデビュー当時の西城秀樹と双璧ではなかろうか 実は彼はマルチプレイヤーでもあり、一人ですべての楽器を駆使したソロアルバムまでも発表している。バッド・カンパニー再々結成時での「ピアノ弾き語り」の立ち姿もイカしている。そして男気溢れる歌心に痺れる。2008年頃の映像と思われるので、今の小生とほぼ同じ歳だ。この時点で完敗だな
いつまでも歌い続けて下さい
コロナ禍も1日も早く「ALL RIGHT NOW」で行きたいものだ
『鬼滅の刃 4DX』&『天外者』 [上映中飲食禁止]
今年の正月休みは、日頃の感謝を込めて「奥様推奨映画鑑賞」に費やした
昨夏、我が女房は、三浦春馬の訃報に意気消沈したのであった。小生ほどの映画好きでは無い彼女のTV番組のお気に入りが、テレビ東京「開運!なんでも鑑定団」とNHK「世界はほしいモノにあふれている」である。要するに手の届かない高級品を見るだけならタダと割り切る出来た女房ではあるのだが、特に「せかほし」では、MCである三浦春馬の魅力にもハマっていた。「可愛い〜良い子だわぁ〜癒されるぅ〜」連発だった彼の突然の死は、自分の長男と同い年というのも重なって、結構ショックが大きかったのだ。
「彼の危険な状態を察知する身近な人が、きっといなかったのね...かわいそう」日常生活に支障をきたす程では無いにしても、直接は知りもしない芸能人の生死に、ここまで落ち込む妻の姿を見たのは、初めてのことだった。
この「春馬ロスト」感を一掃してくれたのだが、なんと「鬼滅の刃」なのだ
昨年の秋口には、小生はいち早く、TVアニメ版全26話を密林プライムで鑑賞していたが、近所のババ友や長女からの受け売りにより、女房も興味を持ったようなのだ。
「アンタ、観たらしいけど、どうだった?」
「結構、面白いけど、お前にはどうかな。残酷なシーンも多いし、スプラッター系は苦手だろ、血ぃ、いっぱい出るぞ」
「う〜ん、とりあえず観てみる。付き合ってちょーだい」
という具合で、1週間かけて夜な夜な全話鑑賞したのであった。小生は2周目でグッタリだったのだが、彼女は予想に反してゲキハマりした
「炭治郎、良い子よねぇ〜富岡義勇はタイプだわぁ 映画も絶対、行くからね」
長女も連れ添って家族3人で劇場版を鑑賞、感涙に咽せた女衆は、直後にコミック本22冊を中古でまとめてゲット。最新刊を家長に予約注文させる強権に出る。そしてローソンに行く都度に「鬼滅の刃」ガムの購入を続け、付録のキャラクターシールの収集に余念が無い母と娘の年末となった。
そして元旦。朝一仕事に午後は親戚廻りと墓参りを済ませ、ヘロヘロの夜...
「アンタ、鬼滅の4D版というのがあるのよ。やっと空き席を見つけて予約したから、明日の夜、3人で行くわよ!」
「お前、内容は、この間と同じだぜ。わざわざ、そんなもの見るかぁ〜」
「なんか、4Dって凄いらしいのよ。水とか煙とか出るらしいの。この間の感動とは違うのを味わうのよ」
翌2日、前置き長くなりましたが、女衆に拉致され行って参りました
いやはや、新鮮な驚きでした
現在、2種類の4D方式があるが、今回鑑賞した池袋の映画館は、4DXという12種類の体感をシートに座りながら得られるシステムが導入されていた。
伊之助が突進すると、地響きが起こり、シートが縦揺れし、背中に衝撃が走る炭治郎が水の呼吸を行えば、うねる様にシートが動き、前方から水しぶきが飛んでくる
まさに、遊園地のアトラクション並みの演出が、大スクリーンの映像と共に体感できるのである。作品の内容は知っているので、安心して観ているのだが、「次のサプライズ効果」への期待が否応なしに膨らむのだ。
まさに、新年に相応わしい笑撃の新体験を家族で味わった。女房もご満悦で、なによりなにより。全ての作品にこの4D方式が適しているとは言えないが、映画館の存続・発展には、新技術の導入は不可欠なのだ。もうすぐ公開される007シリーズや「トップガン」の新作を、是非とも4Dで観たい誘惑に駆られた。
そして小生にとって、4D最大の魅力は、若いカップルには申し訳ないが、イチャイチャ、クチャクチャ飲食しながら鑑賞できないことなのであ〜る。
翌3日は、これだ
「春馬ロスト」から癒えた女房と、「彼の最期の勇姿」を瞼に焼き付けて、しっかりお別れをしようということになった。
ペリー来航に日本中が騒然となった江戸時代末期、若き薩摩藩士・五代才助(後の友厚・三浦春馬)は新しい時代の到来を予感する。攘夷か、開国かで揺れる藩内の抗争から距離を置き世界に目を向けていた五代は、遊女・はる(森川葵)との出会いを通じて自由な夢を見たいという思いを抱く。誰もが夢を描ける国をつくるため、同じ志を持つ坂本龍馬(三浦翔平)、岩崎弥太郎(西川貴教)、伊藤博文(森永悠希)らと共に激動の時代を駆け抜ける。(シネマ・トウデイより)
主演・三浦春馬以外は予備知識なしで臨んだ作品であったが、清々しさと力強さに溢れた佳作であった。幕末の志士達の影に隠れ、脚光を浴びる事が少ない「五代友厚」の半生を、三浦春馬が渾身の力で演じた。春馬を商業的に目立たせるなら、五代ではなく親友の坂本龍馬が適役だったかもしれないが、あえて藩士から経済人に転身した五代を演じさせたのが、結果として、より三浦春馬らしさが引き出せたようだ。共演陣は、三浦翔平を除けば渋めの選出であるが、堅い演技で春馬の脇を固める。T・M西川も頑張っていた。
ヒロイン役・森川葵と蓮佛美沙子も魅力的だった。二人とも絶世の美女とまでは言い難いのだが、それぞれの女性の持つ「艶やかさ」と「強い芯」を表現していた。小生は、こういう芸風の広い女優が大好きである。