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『魔法の文学館』 [寫眞歳時記]

長女が孫娘とぶらりとやって来る。さいたま市から江東区への引越し以来、旦那が出張時などに実家に顔を出す機会が増えた。昨秋に二人を現代美術館に連れてから、都内の隠れスポットに精通した父親に半分呆れつつも当てにし始めた長女は今回も期待している様子だ。要するに無料のガイド付き運転手兼子守りなのだが、1歳の孫娘の記憶に残らずとも爺ちゃんは燃えるのだった[ぴかぴか(新しい)]

チャイルドシートを常備した車を走らせて千葉県境の江戸川区の公園に向かう。小高い丘の上に純白の壁にピンクの窓を備えた建物が見えてきた。突然、おとぎ話の世界に引き込まれたような感覚だ。

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魔法の文学館・・・「魔女の宅急便」の作者として有名な江戸川区出身の角野栄子が館長を務める施設で、2023年に隈研吾の設計により「なぎさ公園」内に建てられた。ここなら公園で孫の散歩も出来るしジブリ好きだった長女も楽しめるだろう。実は私も以前から訪れたかった場所の一つだったので一石二鳥という訳なのである。正面玄関からは平屋に見えるが丘の斜面に沿って建てられた3階建てで、入場すると丘を駆け上がるような感覚で緩やかな正面階段が迫ってくる。

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なんと衝撃[exclamation&question]隈研吾の純白の建物内部は角野栄子のテーマカラーである「いちご色」の世界に満たされていた[がく~(落胆した顔)]

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選りすぐりの児童書1万冊がどこでも閲覧可能な状態で展示されているが、さすがに1歳児には早過ぎて、孫娘は広々とした階段のハイハイ昇降に余念が無かった[あせあせ(飛び散る汗)]それでも時折長女が抱き抱えて絵本を読み聞かせする姿に爺いはホッコリするのであった。
3階の「カフェ・キキ」のテレスに出てティータイムだ。テラスは丘の頂上と地続きになっており、穏やかな冬の陽だまりと相まって開放感抜群だった。

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爺い「いちご色クリームソーダ」
長女「カフェラテ」
孫「人肌ホットミルク(特別にお願いメニュー)」&「お子さまパン」

今日も仕事の女房に呆れられそうな爺いサービスデイでございました[ダッシュ(走り出すさま)]


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久々の歌姫〜ケイトリン・ターヴァー〜 [歌姫列伝]

[るんるん]珍しく音楽ネタ[るんるん]

錦糸町の駅ビルを徘徊していたら突然腹痛に襲われ、間一髪トイレに駆け込みなんとか難を逃れた[あせあせ(飛び散る汗)]ホッと一息ついていたら館内のBGMが妙に耳についた。柔らかいハスキーボイスが私好みのビートに気持ちよく混ざり合う。思わずスマホを取り出し最近覚えたグーグル曲検索を試してみる。恐るべしIT進化〜一発で今聞いている音楽のMTVに辿り着く[がく~(落胆した顔)]

Starting To Scare Me(2024年)


なんと小生が病的に好む金髪美女ではないか[exclamation&question]キューティ・ブロンド病再発[揺れるハート][揺れるハート][揺れるハート]
囁くような中低音の声色が胸をざわつかせ、一転しての耳に刺さらない柔らかい高音域に安らぎを覚える。私の女性ヴォーカルの美声の条件である「S」の発音の美しさが際立つ。スタジオ録音なのでデジタル処理も施されている為に、生声の聴ける動画を探す。


ケイトリン・ターヴァー(Katelyn Tarver)・・・1989年アメリカ・ジョージア州生まれ35歳の女優兼シンガーソングライターである。当然ながら我が国では無名のアーチストゆえに情報が少ないが、14歳でアイドル発掘のテレビ番組への出演をきっかけに芸能界デビューしたという。当初は当時のガールズポップブームに乗って人気になり2006年には来日もしているのだが、若い頃の動画を視聴すると歌は上手いが作られたアイドル感が強くて少々痛々しい。その後は女優業もこなしつつ、ロックやヒップホップ系の音楽にも傾倒し、人気爆発に至ることは無かったが、歌手としてのキャリアを着実に積んで行く。時系列で彼女の音楽を追うと、自分のスタイルを確立し歌姫として開花したのは20代後半あたりと思われる。

オーディション番組出演時(2003年)


You Don't Know(2017年)


スーパー・モンキーズから我が国屈指の歌姫へと昇華した安室奈美恵とダブってしまう成長ぶりである。ケイトリンは長いキャリアの中でもフルアルバム3枚、EPを7枚ほどの寡作ぶりな上、日本ではデビューCD以外はほとんど発売されずダウンロード版が中心だ。昨年発売されたNewアルバム「Quitter」を不本意ながらダウンロードし、2ndアルバム「Subject To Change」のアナログ盤を中古店で探し出しなんとかGET。全ての楽曲が3分前後、ギター中心のシンプルな楽器構成もお気に入りだ。現在、ヘヴィ・ローテーション中である[ぴかぴか(新しい)]

Quitter(2024年)


人気が再燃して来日する可能性は極めて低いが生LIVEで聴きたいなぁ〜[揺れるハート]
それにしても恐るべしグーグル検索[どんっ(衝撃)]長生きしてみるもんです[わーい(嬉しい顔)]

◎閑話休題
アナログレコードに原点回帰している小生だが、先日このカートリッジを購入して目から鱗だった。長年に亘りDENON DL103というオーディオファンには王道のカートリッジを使用しており、そろそろ針交換を考えていたが、値段に冷や汗[あせあせ(飛び散る汗)]最近の物価高で5万円近くに値上がりしているではないか。思い切って評判の良いコイツを買ってみて大正解。シェル付きのこの値段で力強さと繊細な分解能力を併せ持つとは[exclamation×2]とにかく音楽の生命力の再現性が素晴らしい。群馬県の小さなアナログレコードカートリッジ製造会社「中電」の匠の技と良心を感じてしまった。ピュアオーディア沼はカメラのレンズ沼に似ていて、知らぬまにメーカーの策略に陥って余計な金を使ってしまうものだ。高ければ良い製品は多いのは当然だが、自分が気に入った音で聴ければそれで良し。若い頃に何度も溺れた経験が漸く活かされて参りました[ダッシュ(走り出すさま)]


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コーヒーブレイクIN「清澄白河」② [寫眞歳時記]

長閑なカフェの街として今をときめく清澄白河地区ではあるが、お楽しみは美味い珈琲だけではない。清澄通りに沿って長屋風に軒を連ねる「旧東京市営店舗向住宅」は関東大震災後の復興住宅として建てられたが、部分的な改装を重ねながらも100年以上に亘り今も健在である。

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店舗兼住宅としてオーナーも住民も何代も変わりながら生きながらえる逞しき生命力[どんっ(衝撃)]清澄通りを挟んでこの住宅棟の向かい側に古い商店街の入り口がある。カフェブーム以前は当地区での数少ない観光エリアだ。

深川江戸資料館は地元の憩いの場として造られた総合文化施設で、江東区民だった横綱・大鵬の顕彰コーナーを始めとした展示会ルームや劇場が設置されている。ホールでは落語が定期的に催されており、小生は柳家さん喬の独演会にはよく訪れる場所でもある。だがこの施設の目玉は、江戸時代の深川の街並みと町民の生活を再現したエリアである。似たような展示は両国の「江戸東京博物館」(現在休業中)にも存在したが、ここは限られた面積に効率よく配置されている。

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深川資料館通りと呼ばれる商店街は、松平定信が眠る霊厳寺とこの資料館をメインスポットに昭和風の店舗が軒を連ねる。そして一本裏通りに入ると、ハッとするような洒落たショップに出会えたりする。まさに昭和と令和が違和感なく溶け合っているのが、この街の魅力だ。

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小腹が空いたら当然「深川めし」=「あさり丼」だ[パンチ]界隈の飲食店ではどこも扱っているが、私のオススメは『福佐家』である。質の良い国産アサリが仕入れできた時のみ開店する為に、此処の丼に巡り会えるかはその日次第だ。運よくありつけた時には、飽食に爛れた胃袋が江戸の質素な風味に雄叫びを上げる[exclamation×2]頑固な信条とはかけ離れたような穏やかな物腰のご夫婦の接客も心地良い。

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遥かなる江戸の味を堪能したら、次はソフトクリームを食おう[わーい(嬉しい顔)]チーズのこえ」は日本初の北海道産ナチュラルチーズ専門店だ。昨夏、女房の好きそうなカモンベールチーズを買ったついでにソフトクリームを立ち食い〜これが絶品で、以降は小生の定番コースとなった。

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そしてフラリと気になったカフェに飛び込んで、ゆったりと淹れてくれた珈琲を啜る休日の昼下がりの素晴らしさ[わーい(嬉しい顔)] 帰り際、清澄庭園を抜けて隅田川と小名木川が合流する万年橋を渡り「芭蕉記念館」に立ち寄る。その目と鼻の先にはまたもや女性たちで賑わうショップがある。タルトケーキの「POSHポッシェ」とジェラードの「TUTTOトゥット」というグルテンフリースイーツのみを扱う専門店が並んでいる。

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孫の一人がアレルギー体質の為にTUTTOで持ち帰り用ジェラードを買い込む。(1個だけその場で食すのはお許しいただきたい[あせあせ(飛び散る汗)]
こんな休日の過ごし方もたまにはもいいなと好々爺を気取る小生の足取りは大変軽かった[ダッシュ(走り出すさま)]






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コーヒーブレイクIN「清澄白河」① [寫眞歳時記]

小生の暮らす墨東エリアにおいて、江東区の清澄白河駅周辺は台東区の蔵前と並んでこの20年で大きく変貌した街だと思う。名所旧跡と言えば「清澄庭園」があるが、周りは小さな町工場と倉庫が乱立している上に都バスしか交通手段がなく、昔は立ち寄る理由がまず見当たらない街だった。2000年に都営大江戸線が開通し「清澄白河」駅が開業、2003年に半蔵門線が延伸して人の流れが変わり徐々に若者が集まり始める。2015年、サードウエーブコーヒーの代表格「ブルーボトルコーヒー」が日本初上陸し、清澄白河の倉庫跡に1号店をオープンするや、次々と個性豊かなコーヒーショップが街の至るところに生まれてくるのだった。そして今や、休日の午後を珈琲を愉しみながら過ごせる極上スポットとしての地位を固めつつあるのだ。

「清澄白河ロースタリー&カフェ」
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この街の空は近く感じる。
巷の再開発地区のような高層ビルは一切見当たらず、新しいショップも古い倉庫や工場をリノベーションされたものがほとんどだ。昭和後期の荒んだ街並みを残しながら、目を凝らせば中身はお洒落な店に鞍替えし、扉を開けば芳しい珈琲の香りが漂ってくる。最近は気が向いたら車を転がして、空いていそうな店を見つけてフラリと立ち寄ることが増えた。

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清澄白河の珈琲店ではほぼ全てが人の手によって珈琲を淹れる。
ハンドドリップという儀式めいた作法の後にやってくる焙煎したての香りと芳醇な味わいが身体中に染み渡る。セブンイレブンの100円コーヒーでも十分イケると思える小生だが、正直、シアトル系と呼ばれるスタバのコーヒーを美味いと思ったことは一度も無い。やはり私は珈琲には爽やかな風味ではなく苦味と重みを望んでしまう。此処は、偶然入った店でお好みの味と出会えた時の小さな幸福感を与えてくれる街なのだ。

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紫煙くゆる薄暗い店内で啜る煮詰め過ぎた珈琲が私のお気に入りではあるが、陽だまりを感じるテラス席で味わう出来立て珈琲に心が洗われるのも一興である。「喫茶店」と「コーヒーショップ」は似て非なるものなのだ。そして休日の昼下がりはコーヒーショップが似合う。あまりにショップの数が多すぎて完全制覇は不可能と思われるが、ノンビリ廻ってみようかと思っている。

パート②はコーヒーショップ以外のオススメ編です[ぴかぴか(新しい)]


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