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『ベイビー・ドライバー』 [上映中飲食禁止]

気分爽快、コロナ疲れも吹っ飛ぶ傑作だ[exclamation×2]

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当時はあまり話題に上らなかった3年前の作品だが、ドルビー・シネマで再映されていると知り、飛びついた。250席ほどの客席に20名という、これは感染対策仕様ですな。映画本来の迫力を倍増する最新システムで、この傑作を堪能出来た。

天才的なドライビング・センスを買われ、犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若きドライバー、通称「ベイビー」(アンセル・エルゴート)。彼の最高のテクニックを発揮するための小道具、それは完璧なプレイリストが揃っているiPod。子供のころの事故の後遺症で耳鳴りが激しい彼だが、音楽にノって外界から完璧に遮断されると、耳鳴りは消え、イカれたドライバーへと変貌する。ある日、運命の女の子デボラ(リリー・ジェームズ)と出会ってしまった彼は犯罪現場から足を洗うことを決意。しかし彼の才能を惜しむ組織のボス(ケヴィン・スペイシー)にデボラの存在を嗅ぎ付けられ、無謀な強盗に手を貸すことになり、彼の人生は脅かされ始める。

冒頭の銀行強盗シーンから圧倒される。真っ赤なスバル・インプレッサに乗った若い運転手が、ipodをオンにすると、忽然と流れるブッ切れたギターのビート音に続く、圧巻のカーチェイス。オープニングだけで完結したMTVだ。これはロック・ミュージカルか?元ロック小僧は、一気に引き込まれた[パンチ]
そしてヒロイン・デボラ役はリリー・ジェームズこのウェイトレス姿にイチコロでございます[るんるん][るんるん]

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『シンデレラ』で一躍、人気者となった彼女は、どうしても清楚なイメージがつきまとうが、迷作『高慢と偏見とゾンビ』や昨年の佳作『イエスタデイ』を観れば、非常に芸風の広い俳優である事が窺える。今作では、等身大の現代っ子を演じる。破茶滅茶な明るさは、奥底の哀しみを隠す為。軽い女に見られがちだけど、〜想い込んだら一途なのよぉ〜的な目力と演技で、このハードボイルド作品に温かい色合いを添える。

このケレン味ない美しさ
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滅多に見せない色気
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[かわいい]堪りません[キスマーク]

両親の事故死によるトラウマを抱えた天才ドライバー役のアンセル・エルゴートはハマリ役だ。優しさに満ち溢れた性格の中に垣間見せる凶暴性と冷徹な判断力。愛らしいベイビーフェイスを隠すサングラスとipodのイヤホンは、彼を運び屋のプロに変身させる戦闘服なのだ。素の青年時と犯罪モードの切り替えを見事に演じた。
彼を取り巻く悪党達が、また凄い[exclamation×2] 
「気に入らなければ、誰でも殺す」クレイジーをやり切ったジェイミー・フォックス。この常人離れした強烈な個性を見せつけてこそ、主人公の存在が際立ち、ベイビー覚醒が成った。まさにオスカー俳優の面目躍如だ。
ダンディーな紳士がブチ切れれば凶暴な殺人マシンに変貌する。ターミネーター2のT1000並みの執念深さと生命力は、苦笑いを超越して圧巻だったジョン・ハム。
そしてこれまたオスカー俳優のケヴィン・スペイシー。彼らのボスであり、犯罪組織の黒幕は、完璧な強盗計画を練り上げ、部下を道具としてしか扱わず、自分の手は決して汚さない謎の男だ。ベイビーの人生を狂わせた張本人の彼が、最期に見せた行動に胸が熱くなる。それは、ケヴィンの重厚な演技から引き起こされたからに他ならない。

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ストーリーは、クライムサスペンスの様相でテンポよく進む。ベイビーが犯罪稼業から足を洗い、デボラとの恋が膨らみかけるのも束の間、修羅場に引き戻された彼に待ち受けた予想外の事態とは...
二人の運命は如何に[exclamation&question][exclamation&question]

息もつかせぬ展開を、選りすぐりのロックミュージックをバックにしたシーンで繋いでいく。未知のマイナーなナンバーからお馴染みの名曲まで、音楽、映像、演技、三位一体の連続に心踊る。QUEENの「ブライトン・ロック」に胸焦がし、FOCUSの「悪魔の呪文」が流れたからにゃ、70年代ロック爺いは悶絶なのです[どんっ(衝撃)]

そして、極上のフイナーレ。名画にはお決まりパターンであるが、これこそ王道なのだ。
この感動は、ブルーレイや密林プライムでは絶対に味わえない。
大スクリーンでの鑑賞に、本当に久方ぶりに身も心も奪われたあった。



劇中、ベイビーの亡き母(歌手の設定のようだ)が歌っているシーンが一瞬流れた。どこかで聞き覚えがあった歌声だったが、小生の記憶に間違いは無かった。(本人も同役で出演)
Sky Ferreira(スカイ・フェレイラ)
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これまた愛しのブロンド・ロッカーではないか[exclamation×2] 何という渋い選曲
エドガー・ライト監督は、小生と同じブロンド依存症らしい[わーい(嬉しい顔)]




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Labyrinth

見たハズ…? と思って自分の記事を読み返してみましたところ
“知らない曲ばかりだったような” ですとっ (汗)
流石♪ つむじかぜさま Nice~♪ (^_-)-☆
by Labyrinth (2020-07-11 16:49) 

つむじかぜ

> Labyrinth 様
確かに、これだけマイナーな曲を集めたのは、相当な曲者監督だと思います。それに同調する小生も典型的なへそ曲がりですが...( ̄ー ̄)

by つむじかぜ (2020-07-13 23:36) 

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