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環八のバブルの遺構 [寫眞歳時記]


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荻窪の散歩帰りに環八を運転していると、夕陽に映えた異様な建物を発見[目]

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M2ビル・・・今をときめく隈研吾が1991年に手がけたマツダの研究開発施設だ。先進的な「第2のMAZDA」を目指す意味から『M2ビル』と名付けられた。世はバブル絶頂、若手建築家の斬新かつ挑戦的なデザインが話題を呼んだが、当時の建築界から大不評を買う。著名な世界的旅行サイトでは「世界の10の醜悪なビル」の一つに取り上げられるほどだった。後日、隈研吾自身が「トラウマになった」と語る若手時代の苦い経験を生んだ作品なのだ。バブル崩壊後、マツダは経営難により事業縮小を求められ、M2ビルを売却し同社の挑戦も頓挫する。

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バブル期の世界を目指す企業家と若手建築家の夢と挑戦が詰まった遺構のような建物は、葬祭場「東京メモリードホール」として今も環八沿いにその威容を残す。隈研吾のその後の活躍は周知の通り、環境と調和を考慮し木材を多用した「負ける建築」が評価され、今や世界中から引っ張りだこだ。マツダはフォードとの資本提携を解消し、2018年には5年連続で過去最高の販売台数を更新する独自経営路線を貫いている。芸術家にも企業にも紆余曲折の歴史あり。バブル期の戒めを諭すようなM2ビルが、今は人間の最期の別れの大事な場になっているのも、永い人間の営みの真理を謳っているような気がしてならない。

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バブル崩壊期はほとんど歌謡曲とは縁遠かったが
森高千里と小泉今日子だけは別格だった[揺れるハート]

バラエティ番組でも生演奏が当たり前の時代[るんるん]BASSブイブイしてるし[るんるん]
キョンキョンの素敵な歳の重ね方は憧れだ[黒ハート]
 



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「龍子記念館」からの [寫眞歳時記]

暫く改装中の為に休館だった「川端龍子記念館」がリニューアルオープンした情報を得て、大田区池上へ向かう。

川端龍子の作品は既知であり、流麗かつ豪快な作風は自分好みである。但し作者が男性だと知るのはつい最近なのだが[あせあせ(飛び散る汗)] 現在、精神科医・高橋龍太郎の現代美術コレクションとのコラボによる「ファンタジーの世界」展が開催されている。過日、東京都現代美術館の展覧会で日本屈指と云われる彼のコレクションに圧倒されたばかりだ。そして美術館に隣接している龍子公園内の旧宅とアトリエも一般開放されるのも魅力なのだ。

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ファンタジーと言ってもお花畑的な可愛いさ全開では無いのが現代美術[あせあせ(飛び散る汗)]アーチスト達のとめども無い想像力の発露に目を奪われ、胸を抉られる。常人の私などには辿り着けない領域だが、何歳になってもこんな刺激は好きだ。
隣の龍子公園には1日3回、係の方の引率付きで見学できる。旧宅は1938年に建造され、竹を多用した造作や広いアトリエ、空襲で崩壊した住宅部分を造成した「爆弾散華の池」に龍子の嗜好が汲み取れ、今でも彼の息遣いが感じられる。

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美術館の近くには池上本門寺があり、その参道入口付近に洒落た古民家カフェ「蓮月」がある。セルフサービスの割にメニュー料金高めが玉に瑕だが、場所柄と維持費を考慮すれば致し方ないか。雰囲気は抜群だ[ぴかぴか(新しい)]

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本門寺は何度かお参りしているので、本日は季節柄「池上梅園」に行ってみる[かわいい]この冬は寒すぎるのか、白梅は満開だが、いまだに紅梅は六分咲きといったところか。

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久が原方面に少し足を延ばして、以前から興味のあった建物を訪ねに行く。

クロスクラブ・・・建築家・山口文象が1940年に建てた自邸である。川端龍子邸とほぼ同時期の竣工だ。他に現存するのは黒部川第2発電所、林芙美子邸や小生の好きな清洲橋など数少ないが、戦前の土木建築デザイン中心に関わった人物だ。モダンな和洋折衷の建物は今でも斬新そのもので、特に正面とサイドからの表情の違いに胸がすく。音楽家である長男・勝敏が引き継いだ邸宅では定期的にコンサートや音楽セミナーが開催されて内部も開放していたようだが、この3年程は情報の更新はされていないのが少々気がかりだ。

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久が原教会・・・元々は山口文象の戦前の設計だが、戦後に別の場所から移転して此処に建て替えられた2代目だ。それでも山口文象の息遣いを感じるのは気のせいだろうか。

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勝手知ったる下町エリアを徘徊するのは気楽だが、滅多に訪れない街をナビを見ながらそぞろ歩くまっさらな気持ちも良いものだ。もうすぐ春[かわいい]健康維持とボケ防止を兼ねての街歩きも全開のシーズンが近い[どんっ(衝撃)]






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梅祭り [寫眞歳時記]

久しぶりに「亀戸天神」へ。

江戸の頃から梅と藤の名所と云われており、季節ごとに行くと決めていながら近場すぎて案外、旬の時期を逃してしまうことが多い場所だ。今年は少々気が早かったか、最近の寒波続きで開花が遅れ気味で5分咲き状態ではあったが、仄かな梅の香りを愉しんで来た。

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夢の島へ [寫眞歳時記]

本日の街歩きは珍しく東京湾側を攻める。私が幼少の頃にはゴミの島と呼ばれていた埋め立て地帯だ。当時はゴミの焼却施設が皆無で、東京都の7割の生ゴミがそのままこの埋立地に投棄され続けていた。まさに東京中が「ゴミ戦争」に揺れていた時代だ。

その後、清掃施設を抜本的に整備して1978年に開園したのが「夢の島公園」である。広大な敷地には緑が生い茂り、スポーツ・文化施設やBBQ広場、マリーナなどが建てられて、東京都の恥部と云われたゴミ島が都民の憩いの場へと大変貌したのだ。本日は園内の「熱帯植物館」へ生まれて初めて行ってみる[ぴかぴか(新しい)]

だが到着すれば駐車場が満車で長蛇の列[ふらふら]
行列嫌いの小生は早々と諦めて帰ろうと車列を抜けてUターンすると、植物館とは遠く離れたエリアの駐車場が空いてるではないか。「ずっと待つより歩いた方がお得」「急がば回れ」なのだ[パンチ]

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マリーナ越に見える半球型の植物館に向かってダラダラと歩いていると、三角テントのような不思議な建物と出会った。

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なぜ「第五福竜丸」の展示館がこんな処に?訝しながら入ってみると、館内いっぱいに「実物」が展示されており圧倒される。

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1954年、ビキニ環礁での米の水爆実験で被爆した戦後ニッポンの核廃絶の象徴にもなったマグロ漁船であったが、その後は廃船となりいつしか夢の島に係留され朽ち果てていたという。偶然に都職員が発見したことから保存運動がまき起こり、1976年に此処に永久保存されたのだ。とかく人間とは忘れっぽい動物であり、過去の悲劇なんぞ当事者で無い限り瞬く間に記憶から消してしまうのだ。形で残すことは記憶を呼び戻すトリガーになる。歴史の風化と戦った当時の関係者の方々の努力に頭を下げ、駐車場が満杯からの怪我の光明にも感謝しつつ、次の目的地に歩を進める。

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「夢の島熱帯植物園」・・・公園がオープンした10年後の1988年に大宇根・江平建築事務所により竣工された。隣接の清掃工場の焼却熱から温水利用して園内の温室化を図っている。四半球のガラスドームが連なるフォルムはおよそ40年前の建物には見えない「近未来志向」を感じてしまう。

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しい入場料250円[exclamation&question]
「今、全国各地の水族館が熱い」らしいのだが、この植物館も素晴らしい。とにかくお隣の葛西臨海水族館ほど混雑していないのも良い。寒波の中での熱帯擬似体験と昭和建築の醍醐味を堪能してきた[ぴかぴか(新しい)]

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公営なので洒落たレストランもカフェも無い。売店で買った「はんぶんトロピカルドラゴンフルーツ」を無料休憩所で頬張る。真冬の熱帯温室で食うアイスはサイコーである[あせあせ(飛び散る汗)]
 
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帰り際に新木場駅前に立ち寄り、休日のため全くひと気の無い個性的なビルを見学して寒波の1日を終えるのでありました[ダッシュ(走り出すさま)]

新木場センタービル
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木材会館
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『魔法の文学館』 [寫眞歳時記]

長女が孫娘とぶらりとやって来る。さいたま市から江東区への引越し以来、旦那が出張時などに実家に顔を出す機会が増えた。昨秋に二人を現代美術館に連れてから、都内の隠れスポットに精通した父親に半分呆れつつも当てにし始めた長女は今回も期待している様子だ。要するに無料のガイド付き運転手兼子守りなのだが、1歳の孫娘の記憶に残らずとも爺ちゃんは燃えるのだった[ぴかぴか(新しい)]

チャイルドシートを常備した車を走らせて千葉県境の江戸川区の公園に向かう。小高い丘の上に純白の壁にピンクの窓を備えた建物が見えてきた。突然、おとぎ話の世界に引き込まれたような感覚だ。

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魔法の文学館・・・「魔女の宅急便」の作者として有名な江戸川区出身の角野栄子が館長を務める施設で、2023年に隈研吾の設計により「なぎさ公園」内に建てられた。ここなら公園で孫の散歩も出来るしジブリ好きだった長女も楽しめるだろう。実は私も以前から訪れたかった場所の一つだったので一石二鳥という訳なのである。正面玄関からは平屋に見えるが丘の斜面に沿って建てられた3階建てで、入場すると丘を駆け上がるような感覚で緩やかな正面階段が迫ってくる。

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なんと衝撃[exclamation&question]隈研吾の純白の建物内部は角野栄子のテーマカラーである「いちご色」の世界に満たされていた[がく~(落胆した顔)]

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選りすぐりの児童書1万冊がどこでも閲覧可能な状態で展示されているが、さすがに1歳児には早過ぎて、孫娘は広々とした階段のハイハイ昇降に余念が無かった[あせあせ(飛び散る汗)]それでも時折長女が抱き抱えて絵本を読み聞かせする姿に爺いはホッコリするのであった。
3階の「カフェ・キキ」のテレスに出てティータイムだ。テラスは丘の頂上と地続きになっており、穏やかな冬の陽だまりと相まって開放感抜群だった。

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爺い「いちご色クリームソーダ」
長女「カフェラテ」
孫「人肌ホットミルク(特別にお願いメニュー)」&「お子さまパン」

今日も仕事の女房に呆れられそうな爺いサービスデイでございました[ダッシュ(走り出すさま)]


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コーヒーブレイクIN「清澄白河」② [寫眞歳時記]

長閑なカフェの街として今をときめく清澄白河地区ではあるが、お楽しみは美味い珈琲だけではない。清澄通りに沿って長屋風に軒を連ねる「旧東京市営店舗向住宅」は関東大震災後の復興住宅として建てられたが、部分的な改装を重ねながらも100年以上に亘り今も健在である。

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店舗兼住宅としてオーナーも住民も何代も変わりながら生きながらえる逞しき生命力[どんっ(衝撃)]清澄通りを挟んでこの住宅棟の向かい側に古い商店街の入り口がある。カフェブーム以前は当地区での数少ない観光エリアだ。

深川江戸資料館は地元の憩いの場として造られた総合文化施設で、江東区民だった横綱・大鵬の顕彰コーナーを始めとした展示会ルームや劇場が設置されている。ホールでは落語が定期的に催されており、小生は柳家さん喬の独演会にはよく訪れる場所でもある。だがこの施設の目玉は、江戸時代の深川の街並みと町民の生活を再現したエリアである。似たような展示は両国の「江戸東京博物館」(現在休業中)にも存在したが、ここは限られた面積に効率よく配置されている。

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深川資料館通りと呼ばれる商店街は、松平定信が眠る霊厳寺とこの資料館をメインスポットに昭和風の店舗が軒を連ねる。そして一本裏通りに入ると、ハッとするような洒落たショップに出会えたりする。まさに昭和と令和が違和感なく溶け合っているのが、この街の魅力だ。

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小腹が空いたら当然「深川めし」=「あさり丼」だ[パンチ]界隈の飲食店ではどこも扱っているが、私のオススメは『福佐家』である。質の良い国産アサリが仕入れできた時のみ開店する為に、此処の丼に巡り会えるかはその日次第だ。運よくありつけた時には、飽食に爛れた胃袋が江戸の質素な風味に雄叫びを上げる[exclamation×2]頑固な信条とはかけ離れたような穏やかな物腰のご夫婦の接客も心地良い。

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遥かなる江戸の味を堪能したら、次はソフトクリームを食おう[わーい(嬉しい顔)]チーズのこえ」は日本初の北海道産ナチュラルチーズ専門店だ。昨夏、女房の好きそうなカモンベールチーズを買ったついでにソフトクリームを立ち食い〜これが絶品で、以降は小生の定番コースとなった。

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そしてフラリと気になったカフェに飛び込んで、ゆったりと淹れてくれた珈琲を啜る休日の昼下がりの素晴らしさ[わーい(嬉しい顔)] 帰り際、清澄庭園を抜けて隅田川と小名木川が合流する万年橋を渡り「芭蕉記念館」に立ち寄る。その目と鼻の先にはまたもや女性たちで賑わうショップがある。タルトケーキの「POSHポッシェ」とジェラードの「TUTTOトゥット」というグルテンフリースイーツのみを扱う専門店が並んでいる。

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孫の一人がアレルギー体質の為にTUTTOで持ち帰り用ジェラードを買い込む。(1個だけその場で食すのはお許しいただきたい[あせあせ(飛び散る汗)]
こんな休日の過ごし方もたまにはもいいなと好々爺を気取る小生の足取りは大変軽かった[ダッシュ(走り出すさま)]






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コーヒーブレイクIN「清澄白河」① [寫眞歳時記]

小生の暮らす墨東エリアにおいて、江東区の清澄白河駅周辺は台東区の蔵前と並んでこの20年で大きく変貌した街だと思う。名所旧跡と言えば「清澄庭園」があるが、周りは小さな町工場と倉庫が乱立している上に都バスしか交通手段がなく、昔は立ち寄る理由がまず見当たらない街だった。2000年に都営大江戸線が開通し「清澄白河」駅が開業、2003年に半蔵門線が延伸して人の流れが変わり徐々に若者が集まり始める。2015年、サードウエーブコーヒーの代表格「ブルーボトルコーヒー」が日本初上陸し、清澄白河の倉庫跡に1号店をオープンするや、次々と個性豊かなコーヒーショップが街の至るところに生まれてくるのだった。そして今や、休日の午後を珈琲を愉しみながら過ごせる極上スポットとしての地位を固めつつあるのだ。

「清澄白河ロースタリー&カフェ」
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この街の空は近く感じる。
巷の再開発地区のような高層ビルは一切見当たらず、新しいショップも古い倉庫や工場をリノベーションされたものがほとんどだ。昭和後期の荒んだ街並みを残しながら、目を凝らせば中身はお洒落な店に鞍替えし、扉を開けば芳しい珈琲の香りが漂ってくる。最近は気が向いたら車を転がして、空いていそうな店を見つけてフラリと立ち寄ることが増えた。

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清澄白河の珈琲店ではほぼ全てが人の手によって珈琲を淹れる。
ハンドドリップという儀式めいた作法の後にやってくる焙煎したての香りと芳醇な味わいが身体中に染み渡る。セブンイレブンの100円コーヒーでも十分イケると思える小生だが、正直、シアトル系と呼ばれるスタバのコーヒーを美味いと思ったことは一度も無い。やはり私は珈琲には爽やかな風味ではなく苦味と重みを望んでしまう。此処は、偶然入った店でお好みの味と出会えた時の小さな幸福感を与えてくれる街なのだ。

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紫煙くゆる薄暗い店内で啜る煮詰め過ぎた珈琲が私のお気に入りではあるが、陽だまりを感じるテラス席で味わう出来立て珈琲に心が洗われるのも一興である。「喫茶店」と「コーヒーショップ」は似て非なるものなのだ。そして休日の昼下がりはコーヒーショップが似合う。あまりにショップの数が多すぎて完全制覇は不可能と思われるが、ノンビリ廻ってみようかと思っている。

パート②はコーヒーショップ以外のオススメ編です[ぴかぴか(新しい)]


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『蟻鱒鳶ル』 [寫眞歳時記]

三田の「サグラダ・ファミリア」と言われた『蟻鱒鳶ル』が20年の歳月を経て遂に完成したとの情報を得て飛んで行く。

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その建物は東京タワーに近い聖坂の一角に立っていた。再開発により近隣の建物が全て取り壊されて、異様な風貌が際立って見える。丹下健三のクェート大使館や三田ツインビルが間近にあり何度も通りかかる場所なのに気がつかなかったのは、長期間に亘りシートに覆われており、全貌を露わにしたのはつい最近の為だ。

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『蟻鱒鳶ル』は「アリマストンビル」と読む。現代のビル建築に疑問を抱いた建築家・岡啓輔が「200年もつコンクリート建築」をモットーに2005年から着工を開始した。完成図無しのアドリブ建築により工期が想像以上に伸びた上に、近隣の再開発計画が立ち上がり、20年の歳月が流れた。ガウディや梵樹綱を彷彿させる歪なフォルムと装飾の緻密さは耐用年数50年が前提の現代の商業ビルと一線を画す。

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幾多の困難を乗り越え完成に辿り着いた建築家の執念と努力に拍手を送りたい。一介の建築士である岡氏にとってこの建物が生涯最初で最後の代表作になるだろう。全国の一級建築士の現役数は13万人と言われているが、そのうち「建築家」として「自分の作品」を世に送り込める者はほんの一握りだ。世界を股にかけて活躍するビッグネームから下請けの建築事務所で一生を終える者まで、他の芸術の分野同様に厳しい世界だ。
この度の完成により多くのメディアで取り上げられているようだが、岡氏は「僕は完成なんて一言も言っていないですけど...」と笑って取材に応えたという。
斜向かいに建つクェート大使館(1970年竣工)を手掛けた巨匠・丹下健三が微笑んでいるように感じた。建築に常道は無いと。

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◎閑話休題・・・年賀状印刷をしながらSeesaaブログへの移転手続きをやってみた。爺いにはハードルが高いと思われたが、意外にもスムーズに手続きできたようだ。現在進行中のブログと2010年から500本投稿した前ブログの両方をSeesaaに移行というかコピー出来た。「転送設定」まで完了させると、即座にSSブログ側での投稿が不可になるようなので、その設定だけは3月末にするつもりだ。最後までSSに居残って、たまにSeesaaで練習できればと爺いは考えております[ぴかぴか(新しい)]


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さらば学士会館 [寫眞歳時記]

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神田一ツ橋交差点のシンボル的存在だった学士会館が年内で営業終了となる。神田錦町エリアの再開発により、昭和3年竣工の右手前の旧館のみ曳屋の上で保存され、新館とはいえ昭和12年竣工の左奥の建物は解体されるという。学士会とは旧帝大卒業者を会員とする同窓会組織である。戦前戦後の政財界をリードしたエリート集団とは無縁の小生はこの高明な建物の存在は知っていたが、若い頃は足を踏み入れる機会はほとんど無かった。ただ昨春から営業終了を知らぬままに何度か訪れては築100年の勇姿をカメラに収めていたのだった。

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先週のランチタイム時に伺ってみたが、駆け込み予約が殺到しているレストランでは食事はままならず、僅かに空席が見えたバー「セブンズハウス」に滑り込むも定番の「ビーフカレー」は売り切れだった。最期の思い出にと「学士会館タルト」を注文してみる。

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再開発期間は5年とされており、保存される旧館部分が大型の新ビルにどのように組み込まれるかは定かでは無い。ファサード保全では無いらしいので、内部構造も残したまま「明治生命館」のような様式になるのだろうか。現代の建築家の感性に期待したい。5年後が楽しみな反面、現在の無骨な姿が暫く見られない一抹の寂しさが付き纏う

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晩秋を楽しむ②〜東京大学〜 [寫眞歳時記]

銅御殿を出ると目の前のマンションの2階にショコラ専門店を発見[目]メインのチョコ菓子よりも気になった「プレミアム」なるモノを勢い注文して歩き喰いなのだ[ダッシュ(走り出すさま)]

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寒空にプレミアムソフトクリームを食いながら茗荷谷駅周辺を彷徨う爺いは、今度は風流な趣の小さな和菓子店を見つける。甘味魔王の胸がまたもときめく。

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流石に連チャン立ち食いは憚れたので、今日も仕事のカミさんへの土産を買う。相当な人気店のようで、女房の好きな「わらび餅」を含めて大半が売り切れだ。だが残っているケース内の菓子も全て美しい。「栗きんとん」と饅頭を2個づつ購入した。
『一幸庵』・・・後日調べたら世界的にも有名な和菓子職人・水上力のお店だった。帰宅後に女房と食べたが、栗の風味、こし餡の仄かな甘味が絶品だった[exclamation×2]次回は何とか一番人気の「わらび餅」をゲットしたいものだ。

日が暮れるまで間がある。
もう少し紅葉を味わえたらと、イチョウの名所に移動してみる。東京なら真っ先に明治神宮外苑を思い描くが大混雑は明白なので、空いているであろう我が国の最高学府に向かってみる[exclamation×2]

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...と、東京大学も凄い人手[がく~(落胆した顔)]
しかも大半は外国人観光客である。恐るべし、インバウンド&SNSパワー[どんっ(衝撃)]
他言語が飛び交う中で、年々短くなる東京の秋の余韻に浸ることとする。

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実は東大には最近よく来ている。
元々は新旧の建築物の撮影が目的だったが、一般人にも広く開放された緑豊かな広大なキャンパスは散歩コースにも最適なのだ。将来のエリート達が集まる学食で冴えない助教授を装って食う昼飯も乙なものだ。学力では及ばなかった人々に対しての懐の深さ、さすが最高学府[あせあせ(飛び散る汗)]

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銅御殿の表門で始まり東大の赤門で終わる晩秋の東京を堪能した1日となった、と思いきや、陽が落ちると爺いは東京駅に向かう。丸の内の歳末恒例のイルミネーション見学だ。

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ライトアップされたビル街に前撮り新婦達のウエディングドレスの純白がやけに映えていた。オフィス街には紅葉の彩りに早くも師走の風が吹く。嗚呼、もう年の暮れも近い。




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