『デューン 砂の惑星 PART2』 [上映中飲食禁止]
その惑星を支配する者が、全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューン。宇宙帝国を統べる皇帝とハルコンネン家に命を狙われるポール(ティモシー・シャラメ)は、先住民フレメンのチャニ(ゼンデイヤ)と共に数奇な運命に翻弄(ほんろう)されながらも、皇帝とハルコンネン家への反撃に立ち上がる。(シネマトゥデイより)
2年半前にガラガラの客席で観たPART1は、圧倒的な映像美と壮大な展開に胸ときめき、コロナ禍の一服の清涼剤になった。2部作との噂を信じ本作での大団円を期待しての鑑賞だったが、どうも3部作らしいと気がついたのは長尺166分の中盤あたりだった。その為、消化不良感は否めないが、豪華俳優陣の熱演により感動の最終章への期待が膨らむ重要な中継ぎ作品となった。
本編ではポールとチャニの愛の成就と共に宿敵ハルコンネン家への復讐劇が描かれる。
アトレイデス家が壊滅させられ、唯一生き残ったポール親子は原住民族フレメンに逃げ込む。皇国への反乱を続けるフレメンの活動の中で、よそ者だったポールが「伝説の救世主」に祭り上げられる過程に胸躍る。だが、反乱軍の一兵士として皇国打倒に純粋に燃えていたポールが次第にアトレイデス家復活への野望を膨らませていき、謎に包まれていた母親ジェシカの出自が明らかになるに及んでは、展開は混沌度を極めていき、単なる勧善懲悪の物語ではないことに観客は気付かされる。親の仇でもあるハルコンネル家を滅亡させる終盤は、現代のウクライナや中東紛争に通じる『憎しみの連鎖』を彷彿させ、人間の不変の性を記したという半世紀前の原作に感嘆するばかりだ。
映像化が困難と言われながら、ここまで魅力たっぷりな作品に仕上がったのは、VFX等の技術革新による処大ではあるが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督をはじめとした熟練クリエイター達の不断の努力の賜物であろう。さらにキャスティングの妙がこのSF大作に華を添える。ポール役のティモシー・シャラメ、チャニ役のゼンデイヤというフレッシュな若手俳優を中心に置くが、二人を取り巻く脇役陣の豪華なこと!小生お気に入りの俳優を並べると...
ポールの母親であり帝国を影で操る秘密結社ベネ・ゲゼリットの一員でもあるジェシカにレベッカ・ファーガソン。M:Iシリーズでのトム様とライバルながら強い絆で結ばれた工作員イルサ役で一躍名を馳せた。本作では息子を熱愛しながらも、野望の為に権謀術数をめぐらす謎多き女性を前作以上にミステリアスに演じた。クール・ビューティの極みだ
いわずもがなのハビエル・バルデム。どんな作品の主役・端役にも関わらず独特の存在感を醸し出す名優が、今作では救世主伝説に傾倒するフレメンの部族長だ。小生は「ノーカントリー」「BIUTIFUL」の熱演怪演で虜になったが、今回のようなサブキャストでも、全く手を抜かず深い味を出してくれている。
まさかレオ・セドゥ嬢に会えるとは...ベネ・ゲゼリットが送る刺客的存在の女性役で、ハルコンネン家の後継者を誘惑し計画通り彼の子供を身籠る。美しいとか可愛いを超越した冷めた色香は彼女しか出せないもので、今回も小生は十二分に楽しませて頂いた。この子供が未来の大きな火種になることは間違いないだろう。
皇帝役にクリストファー・ウォーケン。年老いた彼を今観ても、高校生時代に感動した「ディア・ハンター」でのロシアンルーレットのシーンが瞼に蘇る。私好みのいぶし銀の俳優だ。更にベネ・ゲゼリットの教母役にはシャーロット・ランプリングを起用するなど、惜しみなくハリウッドの新旧の芸達者を脇役に置く大胆かつ豪華なキャスティングに拍手喝采
そしてとどめはラストシーンに現れた
つむじかぜ さん「長生きせねば」はこっちの台詞ですよ~ ( ´艸`)
本当に! 続きが早く観たい! と思わせてくれる大作でしたね。
次は「オッペンハイマー」はい 忘れずに…!w
by Labyrinth (2024-04-14 00:55)
> Labyrinth 様
お互い頑張りましょう!
ハリポタシリーズほどは長くないはずですから^^;
by つむじかぜ (2024-04-16 02:42)