『ガンパウダー・ミルクシェイク』 [上映中飲食禁止]
暗いニュースが多いので、気分爽快を目的にハチャメチャ風な映画を探してみた
クライム・シティの暗殺組織に所属する女殺し屋サム(カレン・ギラン)は、ある夜標的の娘であるエミリー(クロエ・コールマン)を保護したことで、組織から追われる身となってしまう。襲い掛かってくる刺客たちをかわし夜の街を疾走する二人は、元殺し屋の3人の女たちが運営する図書館に駆け込む。そこは本だけでなく、数多くの銃火器が隠されている武器庫でもあった。(シネマトゥデイより)
女性軍団が大活躍のバイオレンス・アクション
あの巨匠クエンティン・タランティーノが前作を大絶賛したらしいイスラエルの新鋭ナヴォット・パプシャ監督がメガホンを取る。
超有名ではないが、「どこかで観たことあるなぁ」風の女優人が勢揃いである。ヒロインのサム役は「アベンジャーズ・シリーズ」や「ジュマンジ」で見覚えのあるカレン・ギランだ。一騎当千の孤高の殺し屋を好演する。彼女の母親かつベテランの殺し屋スカーレットには、「300シリーズ」の王妃だったレネ・ヘディだ。まさに絵に描いたような暗殺者母娘の別れと感動の再会を、対抗マフィアとの怒涛の殺戮バトルの中で描き出す。さらに二人に加勢するスカーレットの旧友の中年女性トリオが華を添える。【ミシェール・ヨーは懐かしかった蘇る「グリーン・ディスティニー(2000年)」でのチャン・ツィイーとの伝説の殺陣】
この手の作品には細かい設定の矛盾や稚拙な演出には拘らない主義の小生は、純粋にアクション・シーンを堪能する。タランティーノ推薦が頷けるスピード感と映像美殺戮シーンに美学が感じられる出来栄えである。但し、つむじかぜ的にはなぜか物足りないのだ・・・『不道徳とお色気』が皆無なのだタランティーノの傑作「パルプ・フイクション」「キル・ビル」や小生垂涎の「キック・アス」等の作品から溢れ出る常人離れしたエロ諧謔的な残虐性が弱すぎる。前半部のお馬鹿トリオを撃破する場面にその予兆を感じたのだが、中盤以降は中途半端にシリアス度が増し、腹の底から楽しむには至らなかった。今回の中年女性陣にお色気路線を望むべきではないしまだまだナヴォット監督は「狂人」になりきれていないようだ。次回作に期待である。
そんな中でも光明が二つ。
誘拐された少女を演じたクロエ・コールマンの健気な演技に頬が緩む。
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