西日暮里「ツツジとシイと彫刻と」 [寫眞歳時記]
近場をぶらっと散策。
昨今の「谷根千ブーム」で西日暮里駅から谷中銀座に向かう一本道は日頃から多くの観光客が行き交うが、その途中に普段は人影まばらな寺院がある。但し、この季節だけは躑躅の鮮やかな色合いに誘われて立ち寄る人々で賑わう日蓮宗の古刹・経王寺である。この辺りでは躑躅のメッカと言えば根津神社だが、この小さな寺院で愛でる躑躅も一興である。
先日の写真展に触発されてスクエア・フォーマットで撮影してみたが、難しい。私のようなフィルム世代では6×6判の感覚なのだが、構図の切り取り方のセンスの無さが露呈されてしまう。まだまだ修行が足りません
経王寺から1ブロック離れた処にもう一つの古刹がある。七面大明神を祀る延命院は樹齢600年を越える椎の古木で有名だ。安政の大地震(1855年)に本堂が崩壊してもこの樹木は生き残ったが、20年前に腐朽から南側半分の大枝が崩落した。それでも、大きな傷跡を露わにしながら緑の新芽を目一杯煌めかせ、隣の民家の外階段に乗しかからんとばかりに枝を広げている。
脇道に逸れると、ビルの屋上から今飛び降らんとする人影が 早まってはいけない
...そんなわけはなく、此処は『朝倉彫塑館』という美術館である。彫刻家・朝倉文夫の昭和初期に完成したアトリエ兼住居を文化財として保存し、彼の作品と共に公開しているのだ。
存在は承知していたが、見学するのは初めてだった。朝倉自身が設計した建物は、駆体から内装の意匠、中庭に至るまで趣向に富み、彫刻だけに留まらない彼の芸術性に満ち溢れていた。戦前からの都内の洋館はいくつも訪ねているが、此処は凄い創造者の息遣いを今でも感じられ、芸術家の圧倒的パワーに包まれる気がする。
(内部は写真撮影厳禁なので、公開されている資料から)
屋上に上がると、当時の都会の屋上緑化の先駆けとも言うべき庭園が今も美しく整備されている。屋上の縁から身を乗り出すブロンズ像と一緒に眼下の谷中の街並みを一望して見る。
最後は、本日のお土産
西日暮里なら『羽二重団子』の一択であろう 創業文政2年(1819年)当時の製法を今も引き継ぎ、昔ながらの素朴な風味を味わせてくれる。日持ちは当日限りの生醤油の焼団子と渋抜きこし餡団子を串からバラして女房と半分個づつ戴きました
“朝倉彫塑館” は付き合いで何度か訪れたことがあり、好きな場所です。
池のあるお庭も素敵ですが、リアルガイコツ標本は恐かったと記憶してます。
“羽二重団子” ( ̄¬ ̄*)ジュル... イイお値段しますけど? w
by Labyrinth (2023-04-30 01:50)
> Labyrinth 様
流石、Laby様、渋い処をご存じですね!
小生もお気に入りの場所になりそうな予感^^
by つむじかぜ (2023-04-30 23:55)
今度訪ねてみたいところですね。お団子もお目当てです。
by JUNKO (2023-05-01 16:09)
> JUNKO 様
「谷根千」地区は地元の者が何度行っても楽しい処です、是非!
by つむじかぜ (2023-05-03 02:00)