SSブログ

『クルエラ』 [上映中飲食禁止]

[ぴかぴか(新しい)]目眩くファッションに胸踊る[ぴかぴか(新しい)]

6867_04_Cruella_HP_A4_72dpi_RGB_AB.jpg

1970年代、パンクムーブメント真っただ中のロンドン。デザイナー志望のエステラ(エマ・ストーン)は、夢と希望を胸にデザイン画の制作や裁縫に全力で取り組み始める。しかし、カリスマ的なファッションデザイナー、バロネス(エマ・トンプソン)との出会いをきっかけに、エステラは狂気に取りつかれた“クルエラ”へと変貌していく。(シネマ・トゥデイより)

半世紀以上昔のディズニー名作アニメに登場する悪女の若かりし時代を描いた作品なのだが、残念ながら「101匹わんちゃん」の内容を知らない小生は、クルエラ・ド・ヴィルと言われてもピンと来ない。著名なディズニーより円谷特撮シリーズで育った日本男児な為、クリエラへやダルメシアン犬への思い入れは皆無だが、そんな予備知識抜きで抜群に楽しい映画であった。

母の仇を討つべく強大な敵に立ち向かう女性の復讐劇だが、その戦いの場が70年代のロンドンファッション業界という設定がユニークである。その復讐に燃える窃盗団上がりの若きデザイナー助手エステラにエマ・ストーン。「アメイジング・スパイダーマン」や「ラ・ラ・ランド」でのイメージを気持ち良く裏切ってくれた貫禄の演技だ。元々上手い女優だが、オスカーを獲ってまた一回り大きくなったような気がする。清潔感溢れる演技の印象が強いが、今作のアバズレの方がハマり役で、実質的なメジャーデビュー作「ゾンビランド」での素の彼女に近い印象だ。

c624de48aa0d8dd85a8c45d3f03bdc64.jpg

嗚呼、美しい[黒ハート] 
メイクのセンスも素晴らしいのだが、やはり素材の問題ですな。とにかく、悪女=美女の方程式を守り通すディズニーに拍手である。そしてもう一人のエマ。

CRU-18687_R2.jpg

先輩オスカー女優のエマ・トンプソンが、ストーンの上を行く悪女ぶりを貫禄十分に魅せてくれる。当時のファッション業界を牛耳るカリスマデザイナー・バロネス役である。エステラの才能を見出し、彼女を引き立てながら自己の名声を更に強固にせんと狙う。当初は師弟愛を醸し出していたが、エステラの斬新なセンスが花開き始めると、嫉妬と恐怖の心が膨らんでくる。一方のエステラは、強烈な個性と才能を放つバロネスに恋い焦がれ、厳しい試練も喜んで受け入れ、自分を拾ってくれた人の力になろうと尽くす。が、その憧れの人物が自分の母親の仇だと知った日を境に、復讐の刃を向けることになる。悪女クルエラに変身して、バロネスの栄光を地に堕としめんと数々の画策を巡らすのだ。

ありきたりの展開ではあるのだが、二人が纏うファッションの競演に目を奪われ、クルエラの奇抜かつ用意周到なバロネスへの妨害行動が胸をすく。装飾美術とカメラワークが細部に渡り凝っており、小生好みの「絵作り」なのだ。

MV5BNTQ1ZDk2ZjYtMWU3My00N2FhLWE3YTktNGE2ZDEyZGU4MjRjXkEyXkFqcGdeQXVyMTkxNjUyNQ@@.jpg

CRU-24747_R2.jpg

bild-02.jpg

CRU-26529_R2.jpg

近親憎悪を感じさせる似た者同士のふたりだったが、(想定通り)実の母子であった事が判り、対決の構図は更に深みに嵌って行く。そしてクルエラ絶体絶命時に(これまた想像通り)現れる救世主。果たして、クルエラの最後の反撃は功を奏すのか、エステラの純真さを取り戻せるのか...ディズニー映画ならではの安心して観ていられる予定調和作品。70年代ロックミュージックに乗って魅せるエマ・ストーンの美しき七変幻のMTVとしても十分楽しい映画だった。「101匹わんちゃん」を知らんでもダルメシアンのツートンカラーを理解すれば問題なし。



nice!(25)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 25

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。