【番外】つむじ風亭『寂しい河豚刺し』 [江戸グルメ応援歌]
久しぶりに「フグのカットウ釣り」に行ってきた。
「カットウ釣り」とは数ある釣法の中でも特殊な部類で、いわゆる「引っ掛け釣り」である。餌のエビの下に錨みたいな針を付け、餌を突いた魚を引っ掛ける手法である。
アタリが小さく、棚どりも誘いも頻繁に行なわねばならない繊細かつ難しい釣りなのだが、小生はこの変態的な釣りが結構好きなのだ。そして何よりも、フグは美味い。東京湾で獲れるフグでも十分に高級料亭のトラフグ並みの味がするのである。そんなわけで、今回は横浜鶴見の新明丸から出航だ
...と勢い込んではみたものの... なかなか釣れませんほぼ3年ぶりのフグ釣りの為、勘が鈍っているのか、加齢により反射神経が落ちているのか、アタリが掴めない。船中は18名の満員、ベテラン・常連と思しき方が多い感じで、周りでは大型のヒガンフグが釣れだした。小生はといえば、根掛かりの連発状態に陥り、仕掛けを何個も海中に失い、ラインバッククラッシュも続出、ついには穂先は折れるは、3年手入れしなかったリールが壊れるはのトラブルの嵐。釣っている時間よりも、装備を整える作業に時間を費やす有様だ。釣り開始から5時間経過し、1尾も連れていないのは、小生と隣の釣りギャルコンビの3名だけのようだ。
ここで船長が「河豚のサイズは小さめだけど、根掛かりしない場所だからねぇ〜」と、初心者エリアに移動してくれた。いきなり隣の釣りギャルの竿が曲がる・・・15センチほどの可愛いフグだ 更に焦る爺いの竿も本日初めて曲が〜る・・・同じく超ミニ河豚ゲットだ 船長によると、「コモンフグ」という成長しても20センチ弱の河豚で、味は結構イケるとのこと。小さくても1尾は1尾。急に元気を取り戻した小生は、納竿までのラスト1時間でミニ河豚6尾をなんとか確保した。
釣ったフグは船宿で捌いてくれる。猛毒で有名な魚種の為に持ち帰り厳禁であり、免許を持ったスタッフに釣り物を持っていくと目の前で手際よく「身欠き」にしてくれるのだ。30センチ前後の河豚を釣ったメンバー達に紛れて、ミニ河豚6尾で順番を待つのは悔しい。因みに釣りギャル二人は1尾づつの釣果だったが、連れ過ぎた常連さんから小型フグを20尾ほど貰っており、見た目でダントツビリは小生だった この悔しさが次回へのバネとなるのだ
家に帰るとこんな感じに変身
河豚釣りが好きなもう一つの理由には、自宅に帰って下ごしらえが必要ない事だ。釣った魚は本人が全て処理するのが我が家のルールなので、アジ30尾でも釣れようものなら、真夜中まで残業となる。その点、河豚ちゃんは釣行後の疲労感がゼロなのだ。
15センチの河豚も身欠きになると更に10センチにサイズダウンする。当初の予定はデカ河豚を3尾ほど釣って、長男夫婦を呼んでの「河豚ちりパーティ」だったが、企画倒れとなった。夫婦二人で食せるメニューに変更だ。とりあえず、身欠きをペーパータオルに包んで冷蔵庫に保管することにした。基本的に魚の身は適切に処理した後は、何日間か寝かせた方が旨味が出る
3日後、こうなりました
やっぱり小さくてもフグは『てっさ』だね
4尾を刺身に2尾を湯引きにしてみた。適度な歯ごたえと抜群の旨味、ポン酢に合うなぁ〜女房もビール片手に舌鼓をうつ。だが、釣行にかけた経費を考えれば、外食のトラフグコースとあまり変わらんな。一家でのフグちりを夢見て、リベンジを誓う爺いであった
12月になるとフグちりが楽しみです。
by JUNKO (2021-11-11 20:38)
> JUNKO 様
自家製フグちりを是非お見せしたいです^^
by つむじかぜ (2021-11-13 02:18)