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梅むら【甘味・浅草】 [江戸グルメ応援歌]

知る人ぞ知る甘味の銘店である。

浅草仲見世通りの裏手に在る江戸時代からの老舗「梅園」も有名であり、此処の「あわぜんざい」は私は大好物ではある。だが、ビルに建て代わり全国展開する梅園と違い、昭和のおしるこ屋さんの風情を残した「梅むら」の親子2代に亘る手作りの味には何にも代え難い魅力がある。

観音裏から東に歩き、浅草見番の辺りに来ると人通りもまばらとなり、繁華街の喧騒を忘れさせてくれる。花街の名残りで元々料理屋が多い地域なのだが、最近は洒落たレストランや洋菓子店が次々と出店し、新旧、百花繚乱のグルメの町に変貌し始めている「ディープ浅草」の一角にひっそりと「梅むら」は佇んでいる。

お店の存在は昔から知ってはいたが、入った事は一度も無かった。実は昨年にネット配信の「さぼリーマン甘太郎」と云う尾上松也主演のドラマにハマった。「孤独のグルメ」の甘味版パロディだが、小生好みのスイーツが目白押し[かわいい]その第3話に「梅むら」が登場し、居ても立っても居られなくなり翌週には訪れていた。

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コロナ自粛期間中に、40年前のエレキギターを修理してもらったギターリペアショップのすぐ側で、注意しなければ通り過ぎてしまう位の存在感の「梅むら」とご対面だ。観光客で混雑するであろう昼間は避けて、雨まじりの土曜日夕方に訪れたら先客はゼロだった。15名ほどで満席になるであろう狭い店内のカウンターに座り、品書きを一瞥するも当然のように『豆かん』を注文する。あんこ大魔王を自称する小生が敢えてこれを注文したのは、梅むらが「豆かんてん」発祥の店と呼ばれているからだ。

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圧倒的な豆の迫力[どんっ(衝撃)]そして赤えんどう豆・寒天・黒蜜のみの究極の潔さ[むかっ(怒り)]ロックに例えるならば、ギター・ベース・ドラムスの屈強のトリオ演奏だ。兎に角、豆が美味すぎる[exclamation×2]生まれて今日まで、あんみつや豆大福に紛れて引き立て役に徹した豆を何万粒食べたかは定かでないが、この豆の食感・旨味は別格だ。先代から引き継がれた丁寧な仕事で炊き上げられたえんどう豆は、黒ダイヤのように輝き、大地と太陽の恵みそのものの味がする。これに母なる海の幸の寒天の冷たい口当たりと豆の自然な甘さを邪魔しないギリギリの糖度の黒蜜が合わさった三位一体の攻撃に小生はイチコロであった。餡子無しで味わえる究極の甘みに出会える銘店だ。と言いながら、二週間後には「あんみつ」もしっかり食したあんこ親父でございました[あせあせ(飛び散る汗)]

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GWが終われば、東京下町に夏祭りの季節がやってくる。今週末の神田祭を皮切りに6月は山王祭、8月の深川八幡祭へと「江戸三大祭り」が続く。その間にも、規模の大小を問わず都内各所で祭礼が執り行われ、並行して隅田川などの花火大会も実施される。むせ返るような東京の夏に更なる灼熱と爽涼が振る舞われるのだ。我が地元では来週の浅草三社祭で盛り上げること必須。
『梅むら』の隠れた人気メニューに「かき氷」がある。甘味処では珍しく一年中作っている。この夏は、氷しるこ氷豆かんてんだな[わーい(嬉しい顔)]




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そら

豆かん!こんな素敵なメニューがあるなんて!
私、みつ豆の中の寒天とお豆の絶妙な歯ごたえ、歯ざわり、お味が大好き。
なんと素晴らしい!
by そら (2023-05-11 08:32) 

つむじかぜ

> そら 様
是非ともご賞味を!
日持ちしませんが、持ち帰りもありますよ^^
by つむじかぜ (2023-05-13 01:41)