SSブログ

上野両大師「御車返しの桜」 [寫眞歳時記]

上野の桜といえば江戸時代からの名所であり、毎春、恩賜公園は多くの花見客と酔客で賑わう。今年は、自主規制により、観光祭は中止、飲食禁止、通行止め区間が設置されたが、桜は何食わぬ顔で咲き乱れていた。その恩賜公園を抜け、国立博物館に隣接して、『輪王寺』という小さなお寺がある。普段なら上野の山の喧騒により通り過ぎてしまう位の目立たぬ寺院だが、2人の高僧を祀ったお堂がある事から「両大師」と江戸時代から呼ばれ親しまれている古刹である。

20190407-DSC00694.jpg

江戸時代初期の京、後水尾天皇が花見の帰り道、余りの美しさから牛車を引き返してご覧になられたという常照皇寺の地主桜。御水尾天皇の皇子である守澄法親王が、初代輪王寺門主となった縁で、いつしか「御車返しの桜」と名付けられたその幼木を当寺に植えたのが起源だ。3代目となる今の桜は樹勢も旺盛で、濃いピンク色の花弁を誇らしげに披露している。

20190407-DSC00718.jpg

20190407-DSC00704.jpg

本堂前の右側に鎮座する御車返しの桜と、左側で咲き乱れるソメイヨシノとの対比と交錯が何とも味わい深く、隠れた桜の名所と言えるだろう。

DSC00732-1.jpg

DSC00712-1.jpg


nice!(30)  コメント(4) 
共通テーマ:地域