そよいち(洋食・人形町) [江戸グルメ応援歌]
ランチタイム〜陽の光を大きく取り込んだ店内がまばゆく輝く。
10人強のカウンターに正対したキッチンで、3人の女性が手際よく調理をこなす。
野戦病院の看護婦たちが、注射器を包丁に持ち替えて切り盛りしているような、清潔感漂う店内に真剣味と厳かさを感じる。そう、ここは女の戦場なのかもしれない。
老舗「洋食キラク」のスタッフが2009年に立ち上げた店で、独立時の親店との確執を小生は知らぬが、今や老舗を凌ぐ人気店となっているようだ。注文が入ると、女性スタッフが下準備した素材を、マダムが一品づつ丁寧に調理していく。
当店の看板料理「ビーフカツレツ」
少々揚げ過ぎかなと思いきや、外はカリカリ中はジューシー。
独特の下味と共に肉の旨味が口中に広がる。
「ポーク・ソテー」
こちらもウエルダン級の火入れ。
豚肉本来の噛みごたえと旨味が嬉しい。溢れ出る肉汁とニンニクのソースだけでお代わり必至!
洋食定番の「ハンバーグ」
こちらはトロトロだ。多分つなぎを抑えて肉の味を十分引き出している。
デミグラスソースも深い。
今春、人形町の会社に勤めて以来、何度もランチではお世話になっている。
当店も、コロナ禍の影響で平日は時短営業、土曜日はテイクアウトのみの営業に切り替えている。
聞く処、土曜日に来店したお客様にはテイクアウトが不評らしい。判る気がする。このカウンターに座り、目の前でマダムが調理した「肉」を食らうのが、この店の味であり、魅力なのだ。
ナイチンゲールの如く神々しいマダムの調理姿が眩しいプロの洋食屋さんだ。
落ち着いたら晩飯にも伺います、今しばらく踏ん張ってください