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花寒の東京② [寫眞歳時記]

前回の続きです[ぴかぴか(新しい)]

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諏訪山・吉祥寺という室町時代創建の曹洞宗の古刹であった。帰り際の車窓から一瞬見えた山門の先を見逃さなくて良かった。東京の近場にも、まだまだ私の知らない桜の名所がたくさん在ることを知る。花見酒さえ諦めれば、やはり神社仏閣は花の宝庫なのだ。此処は江戸時代の大名・旗本の菩提寺としても著名であり、二宮尊徳や榎本武揚などの墓碑もある。境内・墓地の至る所に種類の違う桜が咲き乱れており、さしずめ桜の博物館のような寺院だった

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元々は古木の一本桜が好きで遠方まで足を伸ばしたものだが、今回は見頃時の荒天が怪我の功名の如く東京都内の桜を見直す良い機会となった。名も知れぬ神社仏閣で名も無い桜たちの競演と巡り合うのも素晴らしいものだ。

翌日も調子に乗って土砂降りの中、都内散策に出掛ける花撮り爺いさんと化すのであった[ダッシュ(走り出すさま)]この日は少々足を伸ばして品川区までGO! 

ナビに従い白金台の高級住宅地の坂を駆け登る。雨は小降りになったが、道幅がどんどん狭くなり不安になる。なんとか桜が咲いている寺院に着き駐車場に停める。だが、山門を見るとどうも違う。斜向かいに見過ごすほどの小さな寺があった。もちろん参拝者など誰もいない

清岸寺祐天桜・・・推定樹齢300年の東京23区内で現存する一番古い桜木だと言われている。2000歳の山梨県・神代桜から見れば子供みたいなものだが、それでも元禄時代の生まれだ。まさに樹木の生命力に畏敬の念を抱かずにはいられない。
幹の半分近くが壊死しているようで樹勢に翳りが見られるが、それでも小さな枝を四方に伸ばし健気に薄桃色の花を咲かせている。非常に珍しい種類で、既存の200種類のサクラに同種は存在しないらしい。小雨の中、メジロの群れがその貴重な蜜を吸いに集まって来ていた。

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この古木の隣に小さな桜木が植えてある。最新バイオテクノロジーにより苗木の増殖に成功し、唯一無二の祐天桜の後継がスクスク育っているのだ。あと半世紀も経てば、親に代わって見事な花を境内一杯に咲かせているだろう。クローン人間と聞けば生命を弄ぶ危うさを感じるが、絶滅植物の増殖となると不思議とロマンが膨れる。

帰り際に乃木神社に寄って行く。残念ながらお目当ての枝垂桜は半分散っていたが、ソメイヨシノが寒空の下、気を吐いていた。気がつけば裏山の新緑が際立ってきており、もう東京には初夏の彩りが訪れてきている。

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新年度からブログタイトルを昔風に戻します。コロナ禍での飲食店応援歌のつもりで3年前に再スタートしましたが、ボチボチ役目を終えたというか、ネタ切れというか...以前ほどバカ喰いできなくなりましたので[あせあせ(飛び散る汗)] 改めて「續 向島のつむじ風」をよろしくお願いします。






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