「百段階段」に惑いながら① [寫眞歳時記]
腹ぼての長女が友人の結婚式に行くというので、優しき甘々父ちゃんは女房にもしないアッシー君(死語)をするのであった。ホテル雅叙園東京まで安全運転で送り、お迎えは3時間半後だ。一旦、帰宅しても良かったが、カミさんに弄られるのも癪なので、この辺りで時間を潰すことにした。そう、此処には『百段階段』あるではないか5年ぶりに雅叙園の名所を訪ねてみる。
現ホテルの前身である目黒雅叙園は昭和6年に国内初の総合結婚式場として開業した料亭である。豪華絢爛の装飾が話題になり「昭和の竜宮城」と呼ばれた時期もあったが、平成3年には老朽化により大幅なリニューアルが成された。その後、経営母体が幾度も代わる憂き目に遭うも、昭和15年に竣工された目黒雅叙園3号館のみは往時の姿のまま保存された。99段の長い階段廊下の途中に7部屋の宴会場を備えた木造建築は、いつしか『百段階段』と呼ばれるようになった。
当日は企画展「和のあかり×百段階段 ~極彩色の百鬼夜行~」が開催されていた。各部屋ごとに現代アーチストの作品が様々なライティングで彩られ、戦前の意匠と令和の最新芸術が渾然一体となって、まさに異世界ムード満点の展示会に豹変だ。更に、以前の撮影厳禁が可能になっており、カメラ爺いにとって最良に時間を過ごす事になった