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チャップリン『街の灯』生オケシネマ [上映中飲食禁止]

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何回観たか数えきれない名画だが、大スクリーンでの鑑賞は、ほぼ50年ぶりだ。そして、音楽はオーケストラによるライブ演奏という、こちらは初めての体験だ。

小学生時分、映画といえば「ゴジラシリーズ」や「まんが祭り7本立て」などの子供作品しか観たことがなかった私が、母に連れられて初めて触れた「文芸作品」が、このチャップリンの傑作なのである。

親日フィルの企画コンサートを知り、年老いた母のボケ封じにと思い申し込んだのが、一昨年だ。直後のコロナ禍により、2度の延期を挟んで、漸く本日の開催になった。その間に、母は認知症が急激に悪化し、今は介護施設に入っている。結局、本日は妻とふたりでの鑑賞となった。

緊急事態宣言下により、当初購入した指定席が、一席空きごとの再割り当てになり、逆に落ち着いた環境での鑑賞となった。指揮者・竹本泰蔵のプレ解説の後、壮大なオーケストラの演奏をバックに、大スクリーンにチャップリンの最高傑作がリマスター映像で蘇った。

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昔の記憶を辿るように、名シーンの数々が生演奏と共に繰り広げられて行く。そして、今更ながら、監督・脚本・主演・音楽まで一人でこなしたチャップリンの偉大さに圧倒される。製作は1931年。現代の多くの感動作やコントの原点が、此処に在る事を再認識する。この歴史的傑作の内容にコメントするのは愚かな事だ。何度観ても、打ち震えるラストシーン。最後のはにかみながら微笑むチャップリンの姿を、母にも見せたかったと思った。

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