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三友【カキフライ・人形町】 [江戸グルメ応援歌]

昨夏、夜は割烹料理店だが、昼間は「トンカツ定食」のみを提供している店のようで、ランチタイムにフラリと入ってみた。2軒隣は、「孤独のグルメ」で有名になった「黒天丼」の店で常に長蛇の列だが、こちらはガラガラ。6席ほどのカウンターの奥に3テーブルの小上がりがある細長い造りの店内である。大将と奥様と思しき女性で切り盛りしているようだ。

味の方はといえば、トンカツ専門店のような高価な肉を使用している訳ではないので、強い印象が残る味では無く、謂わゆる良心的な「トンカツ定食」であった。

その後しばらくは足が遠のいていたが、昨冬辺りから、通りかかるとこの店の前にも行列が出来始めているのだ。入り口に貼り出してあるメニューを覗くと、「トンカツ定食」が知らぬ間に「カキフライ定食」に変わっている。調べれば、此処は知る人ぞ知る「カキフライ」の銘店だったのだ。但し、行列嫌いの小生が、寒空の下で我慢できる訳が無く、常に通り過ぎざるを得なかったが、春の訪れと共にようやく入る事が出来た。


[どんっ(衝撃)]行列も納得[どんっ(衝撃)]『手榴弾カキフライ』

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こんなデカイ牡蠣などあり得ない、どんだけ衣で厚化粧しているのかと思いつつ頬張ると、サクッとしたパン粉の食感の後、一気に溢れ出る牡蠣の濃厚なエキス[ぴかぴか(新しい)]良く見ると、5、6個の牡蠣をひとまとめにして揚げている。街の洋食屋の「カキフライ始めました」の看板に惹かれて注文したが、親指にも満たない牡蠣の小ささに何度落胆したことか。そんな不満や不安を一掃するオイスターフリーク垂涎の逸品である。思い付かない、思いついてもその通りに作れないであろう一子相伝のレシピがこの店には有るとみた。

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洒落たタルタルソースの用意は無く、辛子を混ぜ込んだトンカツソースをぶっかけてかぶり付く当店オススメの食し方が一番のようだ。2個と3個のコースがあるが、一般の方は手榴弾2発で十分堪能できる。たまに死んだ?牡蠣の臭みが付いたフライが混ざっていて興ざめする体験は、一般の洋食店では付きものだが、この後2度お邪魔したこの店では、一度も無い。素材も厳選しているに違いない。

それにしても不思議な店だ。割烹店を謳いながら、主力は秋冬の牡蠣フライランチ。一年の売上の大半を2シーズンの昼間のみで賄うキリギリス的なお店。されど夏でも店は閉めずに、トンカツで乗り切る心意気。そろそろ牡蠣シーズンも終了である。手榴弾の迫力を味わい方はお早めに。


 

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