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国際文化会館 [寫眞歳時記]

洒落た洋館のように雰囲気ある処でNEWカメラで遊びながらお茶したい・・・と思ったが、行動制限が解けた東京の著名な飲食店や話題のスポットには、今一気に多くのグルマン達が押し寄せているようだ。本来は隠れ家的なお気に入りの「山の上ホテル」や「小笠原伯爵邸」「庭園美術館」も混雑必至だ。コーヒーを飲むために10分以上は並べない行列嫌いの小生は考える。野生の勘で穴場を探すぜ[パンチ]

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国際文化会館・・・六本木にある公益財団法人が運営する建物だ。一般のホテルと同様に、宿泊、宴会・会議の施設であり、当然レストラン・ティーラウンジも設置されている。初めて訪れたが、昭和の香りを残すフォルムと都会の喧騒を忘れさせる庭園が心を和ませる。丁度、一組の結婚披露宴が催されて賑やかではあったが、休日の昼下がりでも窓際のティーラウンジ席にすぐに案内された。無理矢理連れ出した女房もご機嫌だ[ぴかぴか(新しい)]

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明治期に多度津藩の江戸屋敷跡に井上馨が居を構えたが、その後に次々と皇族・貴族・実業家の手に渡り、戦後に国有地化されたものを国際文化会館が払い下げを受けた。1955年に日本建築界の巨匠、前川國男、坂倉準三、吉村順三の三氏の共同設計により本館が竣工された。1976年に改築と西館の増築が成され現在の姿となったという。

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庭が素晴らしい。建物とのバランスが独特で単なる和洋折衷とは言い難い奥深さを感じる。エントランスからの1階にはホテルフロントとティールーム、図書室がある。上階層はホテル客室だが、我々は宿泊者では無いので屋上含めて内覧は不可だ。宴会場・会議室は地下1Fでありそこから庭園に出られる構造だ。こちらも結婚披露宴中の為に、間近で庭を眺めることが出来なかった。だが、1Fバルコニーから素敵なカップルの門出を祝うのも乙なものだ。

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老舗一流ホテルのように豪華な装飾や高価な美術品を纏わず、外連味のない朴訥さが心地良い。3名の著名な建築家の共作に、噴火直前の火山のような高度成長期前の激るニッポンのパワーを感じる。この建物が完成した3年後に東京タワーが、半世紀後には六本木ヒルズが当時の日本経済の象徴の如くこの地に聳え立った。二つの歴史的な建築物に挟まれて、二度の取り壊しの危機を乗り越えたこの国際文化会館は、今も粛然と時を刻んでいる。そんな想いに耽りながらアップルパイを頬張る。

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