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最期の『原美術館』 [寫眞歳時記]

『原美術館』の「光ー呼吸 時をすくう5人」展に行って来た。

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此処に伺うのは、ほぼ十数年ぶりだ。品川御殿山に在る古い洋館を利用した洒落た美術館なのだが、現代美術の展示が多く、暫く足が遠のいていた。過日、来年1月に閉館との情報を得、また最期の展示会が現代写真中心でもあり、妻を誘っての来館なのだ。

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館内は撮影禁止の為、外観のみの撮影はあしからず。内部は多く補修されているが、階段や窓枠に昭和初期の香りを色濃く残していた。1938年に竣工された実業家・原邦造氏の邸宅を再利用されたものだ。老朽化が当然、閉館の理由であり、改築によるバリアフリー対応や耐震強化は困難との判断もあったのだろう。古い建造物の原型を保ったままでの改装は、新築よりも経費がかかるという。そもそも、営利第一であれば、一般受けしない現代美術主体の展示にしないはずだ。陽の当らない芸術家にも公開の機会を与える美術館だった為に残念である。数年前、大改修した旧朝香宮邸の東京都庭園美術館のように、文化財指定されるか、国や都に買い取ってもらわなければ、歴史建造物が保存される道は無さそうだ。悩ましい問題だなと、中庭を眺め、チーズケーキを頬張りながら、そう思った。

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5人展の中で「城戸保」氏の作品が好きだ。こういう写真を撮る感性が、小生に無いのが悔しいけれど。

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(https://www.museum.or.jp/report/99748)より



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