マウンテン【喫茶・浅草】 [江戸グルメ応援歌]
久しぶりに浅草の喫茶店で晩飯を食す。
学生時代から通っていた洋菓子喫茶店『アンヂェラス』が2019年に70年の歴史に幕を閉じた。自家製ケーキのテイクアウトも人気だったが、レトロ感溢れる店内で店舗と同じ名を冠する小ケーキ「アンジェラス」を一口で頬張り、濃い目のコーヒーを一気に喉に流し込む快感は格別であった。昭和の文豪達も足繁く通ったというこの老舗が失くなって以降、小生お気に入りの浅草の喫茶店は全く対極の此処と決めている。
純喫茶『マウンテン』・・・雷門通りで約半世紀、こちらも浅草の栄華盛衰を見つめてきた老舗喫茶店だ。「純」喫茶と謳ってはいるが、西洋文化の息吹を感じる「アンヂェラス」と違い、観光地に付き物のコテコテの和風喫茶なのである。あんみつ+コーヒーセットという困惑の組み合わせで外国人観光客に興味を抱かさせ財布の紐を緩ませるという商売のあざとさを全く包み隠さない潔さが小生は好きだ。幅広く一見の観光客を取り込むためにメニューも多岐に及ぶ。甘味はお汁粉・あんみつからパフェまで和洋折衷、当然、洒落た自家製ケーキなどは無い。食事も節操がなく、もんじゃ・お好み焼きの鉄板系からサンドウィッチ、うどん・雑炊、カレーライスまで、まさに「不純」喫茶だ。以前は喫煙自由の無法地帯だったが、流石に電子タバコのみの利用に変更されていたのは愛煙家の小生にとっては少々残念だった。だが、入り口脇にしっかり灰皿が置かれ、通行人に白い目で見られながらも煙を楽しむ余地を残す官権への僅かな抵抗心も嬉しい。
小生の注文パターンだが、食事は粉系から麺類までその日の気分で決める。そしてデザートはほぼ一貫して「小倉ホットケーキ」を注文するのである。本日はこの組み合わせだ
銀の皿が眩しい昭和風『ナポリタン』
禁断の『小倉ホットケーキ』